35日間におよぶスペイン巡礼を終え、左足首を疲労骨折したまま(鎮痛剤で痛みをごまかして)のポルトガル縦断女子ひとり旅の記録です。
今日は、ポルトガル滞在3日目。(2日目はこちら)
昨日会っていたポルトガル人男子が猛烈にオススメしてきたのが、ポルト郊外の都市Guimarães(ギマランイス)。
ポルトガルを訪れたことがない日本人にとっては馴染みのない都市だと思いますが(私も初めて聞きました)、ポルトガル王国初代国王アフォンソ1世が当地で誕生していることから「ポルトガル発祥の地、ポルトガル王国の発祥地」と言われ、旧市街は世界遺産にも登録されています。
それだけだったら、へぇ~で終わりそうですが、ギマランイスは彼の故郷でもあるらしく「せっかくポルトガルに来たならギマランイス行かなきゃ損!」とまで言われたので、ポルトガル3日目は日帰りギマランイス旅行をすることに決めました。そもそもノープランだったので、こうゆう提案はありがたいですね(笑)
ギマランイスは、ポルトガル北西部のブラガ県にある都市。そのブラガ県の県都は、その名の通りBraga(ブラガ)です。
旅行会社のポルト発の日帰りツアーではこのギマランイスとブラガがセットになっているものが多いので、私もギマランイスと一緒にブラガにも行ってみることにしました。

まずはブラガに向かいます

綺麗な車内
ホステルには連泊するので大きなバックパックは置いて、急な坂道をせっせと上っておなじみサン・ベント駅へ。まずはブラガに向かいました。
ブラガはポルトから北に約50km、高速電車で約1時間で到着です。片道料金3.25€(安い!)。

ブラガ駅
11時すぎ、ブラガ駅に到着しました。駅舎の上に地球儀ぽいものが載っているのが気になります。
駅を出るとどんよりとした曇り空…小雨が降ってきました。観光客らしき人々の流れについて、駅を背にやや右方面に数分歩くと、旧市街の門Arco da Porta Nova(アルコ・ダ・ポルタ・ノヴァ)が見えてきました。

ここから旧市街

18世紀に造られたArco da Porta Nova(アルコ・ダ・ポルタ・ノヴァ)
地図をもらうために、まずツーリストインフォメーションに向かいました。

Praca da Republica(レプブリカ広場)の花壇をバックにチャップリン

白い建物がツーリストインフォメーション
Praca da Republica(レプブリカ広場)のツーリストインフォメーションでブラガの地図をいただき、バス停の位置や時間が少ない人でも見逃がせないスポットなど、地図に掲載されていない情報を書き込んでもらいました。(日本語の地図をもらいました!)
「リスボンは楽しみ、コインブラは学び、ポルトは働き、そしてブラガは祈りの町である」
という言葉がありますが、ブラガはポルトガルにおいて信仰面で重要な役割を果たしてきていると言われています。3世紀頃から司教座のあったブラガは、イベリア半島で最も古くにキリスト教化された町であり、ガラエキア(北西イベリア)のキリスト教布教の中心地であったのです。

Sé de Braga(ブラガ大聖堂)
まずは、Sé de Braga(ブラガ大聖堂)。この写真では表現できていませんが、実際はかなりドーンと大きく存在感があります。主回廊をぐるっと一回りして、外に出ました。その後は、ぶらぶらとブラガの街散策。

屋根の上に何か載ってる…!
広場には噴水と、子供の背丈より大きな『BRAGA』モニュメントがありました。

インスタ用にどうぞ

Palácio do Raio(パラシオ・ド・ライオ)

Palácio do Raio(パラシオ・ド・ライオ)

鮮やかなブルーが美しすぎるドア
そろそろブラガ最大の観光名所Bom Jesus do Monte(ボン・ジェズス・ド・モンテ聖域)に向かいたいと思います。
ブラガ郊外のボン・ジェズスへは市内バスで行けますが、今朝立ち寄ったツーリストインフォメーションでバスの本数が少ないと教えてもらっていたので、時刻表に合わせてバス停に行きました。

バス停
12:10のバスに乗るつもりで少し早めにやってきて、バス停に掲示されている時刻表を何度も確認したのに、12:10を過ぎても該当のバスが来ません。
このバス停からは毎時10分か40分、30分に1本なので、もし10分発のバスが行ってしまったのならまた30分待たないといけない展開?
日本と違って海外の公共交通機関は多少ずれることがは珍しくないので(というか基本ずれる)、まだ来てないだけだ…と思い込むことにしてバスを待ちました。昨日とうって変わって快晴!日差しがきついです!

2番バス『ボン・ジェズス』行き
予定より5分弱遅れてバスがやってきました!よかったー。料金は先払いの片道1.65€。乗車時に運転手に支払いました。車窓にはだんだん山に近づいていきます。約20分後、終点のボン・ジェズスのバス停に到着。
ボン・ジェズス・ド・モンテ聖域はエスピーニョ山の山頂にあるボン・ジェスス教会を中心とした聖域なので、バス停から頂上までひたすら階段を登っていくことになります。

教会までのケーブルカー乗り場

迷うことなく往復券購入(2.5€)
(しつこいですが)左足骨折している状況なので、徒歩で階段を登るのは断念してケーブルカーに乗ることにしました。片道だけなら1.5€、往復券だと2.5€なのでお得な往復券を購入しました。
チケット売り場があるわけではなく、上から降りてきたケーブルカーが下に到着した時にケーブルカーを操縦するスタッフが下りてきて彼から購入するシステム。チケット売り場がないない!ケーブルカー乗れない!とその場にいたケーブルカー乗りたい人々みんなで焦りました(笑)

ケーブルカーの動力源は「水」

結構な急斜面です
頂上のボン・ジェズス教会に到着しました!

ボン・ジェズス教会
ボン・ジェズス教会の前には綺麗なお花が咲き乱れています。このモーゼス広場は庭園建築の中で最も美しいもののひとつと言われているそうです。(また出ました、世界一の美しさ!)
私が訪問した4月末は咲き乱れる黄色のお花と、空の青との対比が本当に美しかったです。ただこの写真からも伝わると思いますが…日差しが攻める攻める!
世界遺産に登録されているボン・ジェズス・ド・モンテ聖域は山の斜面沿いに十字架の道(Via Crucis)が築かれ、その道沿いにキリストの受難をモチーフにした彫像を収めた礼拝堂が並んでいます。

礼拝堂と覗きこむ観光客

キリストの受難再現シーン(礼拝堂の金網の間の内側にカメラを入れて撮影)
十字架の道(Via Crucis)の踊り場毎にある礼拝堂の中の人形は、文字の読めない人々にもイエス・キリストの生涯が理解できるようにと、階段の下から上に向かってお話が進み、頂上の礼拝堂は十字架から降ろされるイエスが表現されていました。
頂上のボン・ジェズス教会、向かって左側には鍾乳洞がありました。

鍾乳洞

鍾乳洞内部
屋外が結構暑かったので、鍾乳洞内部は涼しくて快適でした。

ブラガ中心部を一望できます
十字架の道(Via Crucis)の美しさを堪能するなら、ケーブルカーではなく徒歩でバス停から登ってきたほうがいいと思います。なぜなら…

ボン・ジェズスの五感の階段
下から上がってくると、こんな景色が見られるからです!頂上の教会が階段と一体化して、まるで白いドレスのよう。圧巻。

さらに下にも階段があるんですけどね…
私はケーブルカーを利用して一気に頂上まで登ってしまったので、この景色を見るために階段を下ってきました。足首骨折していると、階段を下るのってものすっごい苦行なんですよ…(泣)
どちらかというと階段は上りよりも下りのほうがきついので、これなら往路はケーブルカーを利用せずに階段で上がって、復路をケーブルカー利用すればよかったかな…なんて思いましたが、前言撤回!
この階段からバス停まではかなりぐねぐね曲がる山道が続いているのが見えたから。というか、泣き言言うくらいなら階段上ってないでホテルで休憩してなさいよ、って話ですね(笑)
下から見上げた写真では見えませんが、階段の踊り場に小さな泉があります。この泉もぜひこの目で見たかったもののひとつです。以下、一部をまとめてご紹介します。

視覚の泉

聴覚の泉

嗅覚の泉…鼻から水!

味覚の泉

触覚の泉…手から出てるんじゃないの?壺?
お気に入りの泉はありましたか?

ボン・ジェズス教会を正面から
一度下った階段をまたせっせと上って、頂上の教会まで戻ってきました。ギマランイスへの移動が控えていたので教会内は見学しなかったのですが、あとからガイドブックを観て後悔。とっても美しい装飾のようです。
往復券を見せてケーブルカーに乗車。停車している時点でかなりの傾斜がついているので結構危険でした。どうしてもキビキビ動けないので、他の乗客の迷惑にならないように早めに乗り込んで待ちました。

帰りもケーブルカーを利用しました
ボン・ジェズス・ド・モンテ聖域の観光を終えて、往路と同じ市内バス(1.65€)に乗ってブラガ駅前に戻ってきました。
さて今度はギマランイスに移動です。ざっと調べたところブラガ-ギマランイス間を結ぶバスがあるはずなんですが、調べてもタイムテーブルは出てくるものの正確なバス停情報がわかりません。
目の前の駅に戻ってキオスクのお姉さんに聞いてみたものの、ほぼ英語が通じなくてコミュニケーション不成立。近くにいた人も皆同じような感じだったのですが、みんなの片言英語を合わせたアドバイスで、どうやら駅を出て右のほうに向かい、なんとかカフェ(名前失念)の前のバス停から乗れるらしい!と言われました。
情報の真偽はよくわからないけれど、ここでボーッとしているよりは彼らのアドバイスに従ってみようか。バス停の近くでまたその辺にいる人に聞けばいいや、といつも通り楽観的に考えて駅を出ました。
言われた通りなんとかカフェの付近に来てみたら、バス停が想像以上にたくさんあります…ギマランイス行きはどこですか…?今日中にポルトに戻りたいから、こんなところで時間を浪費してるわけにはいかないのです。(暇なんですが)
英語が通じそうな人…と思って目の前のバス停でバスを待っている女子大生風の女の子に聞いてみたら、ものすごく流暢な英語で「このバス停ではないわ。私もわからないからバスが来たら運転手さんに聞いてみるね」と。数分待って彼女が乗る予定のバスが到着し、運転手に聞いてくれて戻ってきてくれました。
「ギマランイス行きのバスは、バス停じゃなくてそこの横断歩道の横で待っていて、ギマランイス行きと書いてあるバスが来たら手を挙げると乗れるって。たぶん5番!」バス停じゃなくて横断歩道の横で待つ?それほんと??でも、人の良さそうな彼女の言うことを疑うのも失礼だし、指定された横断歩道の少し横に立ってバスが来るのを待ちました。
数台バスが通過するも、行先はどれもギマランイスではありません。こんな見知らぬ街で1人、骨折して足は痛いのに、風に吹かれて何やっているんだろう…そこまでして私はギマランイスに行く必要があるのだろうか…このまま電車でポルトに戻ったほうが良いのでは…とぐるぐると考えていて、ハッと気づきました。ツーリストインフォーメーション行って聞けばいいじゃないの!どうして思いつかなかったのか。ばかばかばか。
最初からツーリストインフォメーション行っていれば、この1時間近くさまよう必要はなかったのに。
この時点で既に15時近く。気を取り直して、横断歩道を渡ろうとした瞬間、バスがやってきました。
バス前方の電光掲示板には『Guimarães』!来たー!
元気よく手を挙げてバスに乗り込み、運転手からチケットを購入しました。ギマランイスまでは片道チケット3.35€。(これも安い!)

乗車してきたARRIVA社のバス(ギマランイスターミナル到着時)
約1時間後、16時少し前にギマランイスのバスターミナルに到着しました。
バスターミナルを出て緩やかな坂道を上り、まずはツーリストインフォメーションに立ち寄って地図をもらい、おすすめの観光情報などをゲット。さらに歩いて、ギマランイス旧市街を抜けていきました。
ギマランイス旧市街は「Historic Centre of Guimarães(ギマランイスの歴史地区)」としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されています。

ポルトガル王国初代国王アフォンソ1世像
Castelo de Guimarães(ギマランイス城)を目指してずんずん歩いていくと、ポルトガル王国初代国王アフォンソ1世像に出迎えられます。
さらに進むと、目の前にドドーンとPaço dos Duques de Bragança(ブラガンサ公爵館)が見えてきます。

Paço dos Duques de Bragança(ブラガンサ公爵館)

現在は政府の公館として、国賓の接待の場などに使われているそうです
ブラガンサ公爵館を過ぎた先にあるのが、ポルトガル王国初代国王アフォンソ1世が生まれたCastelo de Guimarães(ギマランイス城)。

Castelo de Guimarães(ギマランイス城)
入場料(2€)払って、塔の中に入りました。中には資料館もあります。

幼稚園児の遠足(たぶん)

狭い通路を歩いて、周囲をぐるりと

結構急な階段もあったり

旧市街方面を一望できます
お城の見学を終えて、来た道を戻り(下り)ながらレストランを探しました。ランチ食べないまま、気づいたらもう17時近く!

旧市街の街並み

ちょっと待って!このホタテマークはもしかして…!
石畳に刻まれた貝殻(ホタテ)マークを発見!もう出逢うことはないと思っていたのに!どうしてこんなところに!

ついつい写真を撮ってしまう
すぐそばのお土産物屋さんの外にいた店員のお姉さんに聞いてみたら、やっぱり!Camino Portugués(ポルトガル人の道)!

オリベイラ広場すぐ目の前にもツーリストインフォメーションがありました

なぜかカルボナーラ。スパゲティはもちろん茹ですぎ。
遅いランチを食べて一息ついて、お城近くのお土産屋さんで購入したポストカードを3枚書きました。この広場に面するツーリストインフォメーション(最初に立ち寄ったところとは別)で切手が帰るお店を教えてもらったので、切手を買って投函したらそろそろポルトに戻らなければいけない時間です。

Igreja de Nossa Senhora da Oliveira(ノッサ・セニョーラ・ダ・オリヴェイラ教会)
さきほど教えてもらったキオスクのようなお店で切手を買ったついでに、お店のお兄さんに聞きました。
私ったら、大事なことを忘れていたのです!はるばるギマランイスまで来て、これを見逃して帰るなんてありえない!
「これ、どこにありますか?」投函しようとして切手を貼ったポストカードの写真を見せて聞いたら「ああ、この店を出て左にすぐ。カフェが途切れたら、こう!」(指で天井を指す)
御礼を言って、お店を出てカフェが途切れたけれど、その先の指の意味は…?

AQUI NASCEU PORTUGAL(ここにポルトガル誕生す)
『AQUI NASCEU PORTUGAL(ここにポルトガル誕生す)』
ギマランイスの旧市街の入口のトゥラル広場の外壁に掲げられています。なんともかっこいい。

ギマランイス駅から歩いてくると正面にこのように見えるはず!
ギマランイス駅から歩いてくると正面にこのように見えるので見落としようがないんですが、私はバスターミナルから変な道を通ってまずギマランイス城に行ってしまったので、ここを通っていませんでした。
まさかこんな外壁の上のほうに掲げられているとは思わず、キオスクお兄さんの「こう!(上にあるよ!)」を勘違いしてこの壁を素通りして、その先の坂道を上ってぐるりと一周してまた同じ場所に戻ってきてしまいました。ようやく気づいて、上を見て発見できてよかったです。なんかもう色々と疲れてました。

ギマランイス駅
ポストカードを投函した後、少しだけ上り坂の歩道をのろのろと歩いてギマランイス駅まで行き、電車でポルトに戻りました。チケットは片道3€(本当に安い!)。
参加するか迷ったポルト発の日帰りツアー(ブラガ&ギマランイス)の参加費用は60€~なので、今回個人手配で電車とバス、入場料等を合わせて20€以下で周遊してきた自分を褒めたいと思います。そうじゃないと、この徒労感を慰められない(笑)
1時間ちょっとの電車旅、19時前にはポルトに戻れましたがあまりにも疲れすぎていて昨日のポルトガル人男子とのディナーの予定はキャンセルさせてもらって、ホステルのベッドでバタンキュー。
次回、日帰りでブラガ&ギマランイスに行くなら絶対ツアーに参加しようと思いました(笑)
いつの間にか体力の限界に挑み始めたポルトガル女子ひとり旅、4日目に続きます。
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