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【熊野古道(中辺路)巡礼】「え、熊野古道って山道なの?」炎天下の山道を歩いて命の危機を感じた35歳女子2人、3泊4日の記録(後編)

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※以下、2019年8月に訪れた『熊野古道巡礼』の備忘録です。

命がけの熊野古道女子2人旅の記録、3日目です。(1,2日目はこちら

熊野古道(中辺路)巡礼2日目の朝。今日、熊野本宮大社にゴールする予定です。

2人共、前日疲れすぎていたのか、スマホの目覚ましアラームを設定せずに寝てしまった結果、ハッと起きたら6:50近く。しまった!やばい!7時にオーナーさんが迎えに来てしまう!焦りながら顔を洗って、着替えました。

約束通り7時頃に民宿のオーナーさんが迎えに来てくださり、玄関に置いてある宿泊客用のクロックスを履くように促されて(登山靴は時間かかるから)、車に乗って山道を下り、近露エリアにある喫茶店で朝食を取りました。

この喫茶店スタッフの女性も非常に感じが良くて、朝食もボリュームタップリで美味しかったです。(スマホを民宿に置いてきてしまったので、残念ながら写真なし…)

隣のテーブルにはフランス語で会話する外国人カップルが1組(あとで話したら、彼らはベルギー人と判明)。朝食をいただく私達の横に座って、スズメバチやアブをバシバシ退治する民宿オーナーさん。彼に質問されるがまま、スペイン巡礼の思い出話をしたり、今日のコースの注意点などを教えてもらったり。

それにしても狙われ続ける、私の全身黒コーデ。今日も不安だけど、他の服もないからこれで行くしかない。(トップスのmont-bellジオラインは着替え分を持ってきてたし、黒タイツは昨日洗って乾かしたもの)

8時ちょっと過ぎ、宿に戻って荷物をまとめ、オーナーさんに用意してもらった昼食用のおにぎりを持って、御礼を伝えて出発。昨日は余裕がなくてゆっくり見れなかったけれど、お宿からの景色も素敵。施設もお料理もオーナーさんのホスピタリティも感動的なお宿に宿泊できてよかったです!

…と幸せな気分に浸っていたのもつかの間、歩きだしてすぐ既に暑くてもうイヤ。悪夢再び…?グッタリです。

さきほど同じ喫茶店で朝食を取っていたベルギー人カップルに遭遇してご挨拶。彼らは近露エリアから山道(昨日私が座り込んで立ち上がれなくなったルート)をサクサク歩いて登ってきたみたい。歩くの早いなあー。それにしても、他の巡礼者を全く見ません。

エリーは昨日すでに歩いた道

『比曽原王子跡』

『比曽原王子跡』から『継桜王子』までは1.2km

『継桜王子』

出発から約30分後、8:30頃に『継桜王子』に到着。スタンプ自体は車道から少し上がった場所に置いてあったので、私はそこでスタンプを押したらさっさと先に進もうと思っていたのですが、本殿はそこからさらに長い石段を上がったところにあります。

エリーから「ここまで来たんだから、階段上ってお参りしていこうよ!」と言われて、う、うん…と返事して、石段を上りました。結構きつい。

参拝後、階段を下る。へっぴり腰。

左膝は包帯ではなく、単なるサポーターです

スペイン巡礼で使っていたマジックテープ式のサポーターは、歩く度にスポーツタイツと擦れてタイツに穴が開いてしまい、さらに皮膚まで流血してしまう代物だったので、今回は間に合わせで別の膝用サポーターを買ってきました。なんかケガ人ぽいですよね(笑)

日陰はちょっとだけ涼しくて嬉しい

『中川王子跡』を通過。ここはクレデンシャル用のスタンプはありません。

うれしかった日陰はすぐに消えてなくなり、またまた8月の直射日光にさらされ続ける時間がやってきました。エリーとお喋りしながら、少しずつ上っていきます。

スズメバチの大好きな全身黒スタイル。濡らした手ぬぐいがアクセント

8:55頃、眺めがいいので記念撮影(スマホで撮影しやすいように、右手の軍手は常に外してました。日焼けする…)。こうやって見ると、山の中にいますね。この日も暑くて、宿で入れてきた水もどんどん減っていきます。どこか自動販売機か水飲み場で水を補充したい!

『継桜王子』から約1km先の『小広王子跡』を通過。

ずんずん

ずんずん

すたすた

壮観!

そう、ここは熊野古道

迂回路の標識

10:07頃、山道を降りて車道に突き当たるあたりに、迂回路の標識がありました。本来の熊野古道が陥落しているので(台風の影響かな?)迂回路を通っていくようです。「次の蛇形(じゃがた)地蔵まで約1時間30分」と書いてありました。

事前にプリントアウトしてきたマップには、蛇形地蔵には『トイレ、休憩所、飲み水場』マークがついています!水飲み場!ひゃっほー。

標識を信じて進みます

迂回路の標識を信じて車道を進み、10:15にまた山道に入っていきました。標識が少ないけど、1本道だし、間違ってないよね?ちょっとソワソワ。

鬱蒼と茂ったグリーン

全然標識がありません

先を歩くエリーも少し心配になってきた頃、少し坂道を上がったところにネットがかけられ、通行禁止のように見えました。焦る2人。

え!もしかして進めない?でも迂回路の標識通り来たよね?間違えるような曲がり角とかなかったよね?でも自信ない。えー、どうしよう。戻ってみる?(それもイヤだな)とりあえず、ネットのところまで行ってみる?

ここを通るみたいです

10:30頃、ネットに近づいてみたら案内が貼ってありました。これは通行禁止(行き止まり)ではなく、このネットを越えて、通過したらまたネットを元通りにしておくことになっているようでした(動物除けでしょうか)。ふぅ、とりあえず道は間違ってなかったようで一安心。

地獄の階段

つらすぎて、このあたりを歩いていた時の記憶が曖昧なんですが、もうとにかく1歩進むのも、1段上がるのも苦しくて全然進めなくて。時々エリーが立ち止まって励ましてくれるけれど、それも何も励ましにならない、受け入れる余地がなくて、半泣き。このまま座り込んで泣いていたい、と何度思ったことか。

この感覚。スペイン巡礼初日のピレネー山脈越えの時と全く同じ。泣きたいけど、泣いてもどうしようもならないのもわかってるけど、他の感情が出てこない。

木々が日陰を作ってくれる場所もほとんどなく、じりじりと太陽に妬けていくのがわかります。水がほとんどなくなりました。頭もクラクラしてきたような。これっていわゆる熱中症の手前でしょうか?本当につらかった。

誰だろう、8月に熊野古道歩こうって言ったの。「7kmコースは物足りないからやだ」って言ったの。はい、私です。いろいろとまとめてつらい。

途中で、ショートパンツにスニーカー、小さなリュックを背負った軽装の白人男子に追い抜かれた以外は、他の巡礼者と全くすれ違いも追い越されもしません。いつになったら『発心門王子』に到着するんだろう、とうんざりしているところに、逆走して階段を上がってくる日本人男性がいました。

ウェアや装備、歩き方など醸し出す雰囲気的に熊野古道リピーターな気がする!と思って話しかけてみたら、熊野古道巡礼ガイドツアーさん(正式名称は失念)でした。慣れてらっしゃると思いました。「ここから蛇形神社までどのくらいで到着しますか?」と必死の形相で聞いたら、「そうだなあ、30分くらいじゃないかな?」やったー!30分で水が飲める!

死にそうに厳しい山道を、エリーがいてくれたおかげでなんとか登りきって、今度は坂を下ったりしていたら、車道横に簡易トイレ(工事現場にありそうなの)と山から流れてくる水が溜まっているタンクがありました。水!水!水だー!!!!

あまりに喉が渇いてどうにかなりそうだった私は駆け出して、そのタンクに流れ込む水を飲もうとしたんですが「これって飲めるのかな?なんかあんまり清潔じゃない気がする。タオル濡らすくらいにしておいたほうがいいと思う」とエリーのコメントで一旦ストップ。そう言われてみたら、なんとなく怪しい。

ちょうどそこにベルギー人カップルもやってきて、これって飲料水かな?と聞かれたので、飲めるかもしれないけど私達はやめておこうと思ってる、と返事したら、そうだよね、ボク達もやめとくよ、と。さっきまで飲もうとしてたの誰(笑)

ちょっとだけ余裕。ここで飲まなくても、もう少し先の『蛇形地蔵』に水飲み場があるみたいだし!タオルを濡らして絞って頭にかけて、出発。とにかく暑い。

そこから緩やかに坂を下ること数分(か数十分)。ついに!待ちわびていた『蛇形地蔵』が見えてきました!やったー水!水!水!

と思って近づいて行ったものの、何かがおかしい。想像してたのと全然違う。

トイレはあるけどあまり積極的に使いたいと思えるものではなく、むき出しになった洗面台の蛇口は取っ手が外されていて水を出せない仕様。あちこちにクモの巣がはっている。いやいや、手前にはないだけで、もう少し先に行けば飲料用の綺麗な水道があって、水筒に補充できるんだよね!ね?そうだよね?そうと言って誰か~

「どうやら飲料用の水道はないみたいだね。次の『発心門王子』の水飲み場か自動販売機まで我慢するしかないよ」冷静に現実を受け止めるエリーと違って、あまりにも喉が渇いていた私は「いや、どこかに蛇口があるはず!うーん…ほら!あるじゃん!あそこの陰になってるところ!絶対あると思ったんだよね~」と。

蛇口発見。正確には、幻の蛇口発見。

「え?どこに?蛇口なくない?」とつぶやくエリーの声を背中で聞きながら、小走りで駆け寄った場所に、さっき見えた蛇口は跡形もなく…元からなかったんですけどね。頭おかしくなって、幻想を見たようです。つらい。

あまりに私が悲壮な表情で飲料水を探していたからか、ベンチに座ってお弁当を食べようとしていたベルギー人カップルが「よかったら私達のお水飲む?」と、彼らの残り少ないエビアンを私に差し出そうとしてくれるではないですか。メルシー。そんな貴重なお水もらえません。

熊野古道で昨日も今日も何度も絶望を感じたことはあったけれど、ここ『蛇形地蔵』での落胆ぶりと希望のなさはトップ3に入ると思います。本当につらくて、苦しくて、悲しかった。

「水もないし、疲れた。もう無理。歩けない」とギャーギャー言う私に「蛇口なかったね。とにかく歩くしかないよ。次の『発心門王子』の少し先に自動販売機あるみたい。そこまで行こ?」と毅然とした態度でおっしゃるエリー。頼もしすぎる。「えっとね、地図によると『発心門王子』までは5kmくらいかな。たぶん6kmはないんじゃない~?」え、無理!

地獄の始まり~

『湯川王子』

11:50、『湯川王子』に到着。完全に山の中。スマホは圏外。ここからが地獄の始まり始まり~。『湯川王子』を過ぎると急な上り坂。

警察に電話して迎えに来てもらいたい。いや、こうゆう場合は消防か。

誰もいません

坂道が終わると、今度は階段。永遠に終わらないように思われる階段を一歩ずつ一歩ずつ上っていくわけですが、周囲は鬱蒼と樹木が茂り、進んでも進んでも景色が変わりませんでした。

早くこの地獄を終わらせたくて、力を振り絞って加速したためエリーとは離れ離れ。山道にたった一人。前にも後ろにも、視界に入る中には誰もいません。蛇腹状の石段、くねくね曲がっているために階段の終わりが全く検討つきません。

つらすぎてつらすぎて、スマホを取り出して写真を撮る気力もなく、ただこの石段が終わることだけを願って、半泣きになりながら登り続けました。

ぽつんとたたずむ休憩所

12:20頃、ついに地獄…じゃなくて階段が終わり、空が見えてきました。『三越峠』に到着です。

それまでの山中では木々のおかげで少しは遮られていた直射日光が、車道に出た途端ギラギラと照りつけます。左手に休憩所発見!遠目に見てもきれいな施設。これは自動販売機か、せめて飲料用の水道水があるのでは!!!

残った力を振り絞って、よろめきながら休憩所に向けて駆け出しました。

絶望再び。休憩所には自動販売機はおろか、飲料用と表記してある水道もありません。まさに、絶望。喉が渇いて死にそう。砂漠で遭難したらこうゆう気持ちになるんだろうか。

休憩所の裏に、水道を発見しました。柄杓(ひしゃく)もぶら下がっています。飲めるのか、飲んでもいいのか、飲んでもお腹壊さないか、でも飲めるなら飲みたい、でも…せめて、タオルを濡らしてこの火照った体を冷やしたい!

逡巡しているところに休憩所前の広場に軽トラが停まり、中から地元民と思われるおじさんが登場。手にはコンビニ弁当のようなものを持っています。「すみません、この水道のお水って飲料用でしょうか?」つい話しかけてしまった私。

「うーん、どうだろうな。飲料用ではないかもしれんけど、飲めるんじゃないかな」と私の代わりに少しすくって飲んで確認してくれたおじさん!「ま、大丈夫じゃないの?責任はとれんけどな~」というおじさんのコメントで私も飲んでみることに。だって本当に脱水症状手前だったんだもの。

水(飲料用ではないかもしれない水道水)を少し飲んで、休憩所内のベンチにリュックを下ろし、それを枕代わりに横になりました。息が苦しい。顔が火照って暑い。死んでしまう。

そんなぐったりしているところに、12:35頃エリーも到着。まさに放心状態。へなへなとベンチに座り込んで遠くを見つめたまま動かない。私の問いかけにも生返事。いつも元気なエリーがやばいことになっています。

座って休憩して少し回復したエリーに「自動販売機も飲料用の水飲み場もなかった。私は知らないおじさんに相談して、外の水道水飲んじゃったけど。エリーも飲む?」と話しかけてみたら「お腹壊しそうで怖いから私は遠慮しとくよ」と言われてしまいました。うん、体内環境が東南アジアの私はいいけど、日本の都会っ子はやめたほうがいい。

お互い手持ちの飲み水も不足しているし、暑くて頭がクラクラするし、どうしたらいいかわからない状況。

真面目で頑張り屋のエリー、昨日だって「(ひとつ手前の集落の)近露に着いたら、民宿オーナーさんに電話して迎えにきてもらうのはどう?」とさりげなくチートな提案をした私にきっぱりとノー!と言って歩き続けた彼女も、さすがに今は極限状態に見えます。「ねえねえ、ゆかちゃん。次の『発心門王子』までタクシー使っちゃダメかな?つらい。歩けない。」

タクシー?使う!使う!大賛成!と被せ気味に賛成した私(笑)

流しのタクシーは走ってないから(というか、さっきの軽トラおじさん以外、車が通らない)電話してタクシー呼ぶしかないね!

ところが!まさかの!スマホ圏外!!!タクシーどころか、ここで倒れても救助隊を呼べない…絶望アゲイン…軽トラおじさんもこの休憩所でお弁当食べるんだ、というプランを変更したようで、いつの間にか姿がなくなっていました。私達以外、誰もいません。誰も来ません。

長い長い下り坂の始まり

13:00頃、意を決して休憩所を出発。2人とも疲れすぎていてなかなか立ち上がれず、もともとのスケジュールを大きく遅れてやっと歩き始めました。ガイドブックによると、ここから長い長い下り坂が始まるみたいです。約1時間、下り続けるようです。足ガクガクになるやつだ…

転ばないようにストックを突き立てながら下っていきます

上りもきついけど、下りも同じかそれ以上にきつい。ちゃんと足を置く場所を考えていかないと木の根に引っかかって転んだりします。途中、蛇も数回見かけてひゃーとなりました。景色が全然変わらない中、延々と思える下り階段が続きます。

相変わらずスマホは圏外だし、自動販売機はないし、水飲み場もないし、口数少なく歩き続ける私達。たまに口を開けば「さっきの休憩所は車で納品できるんだから自動販売機を置くべき!自動販売機が無理なら、クーラーボックスでもいいのに。350ml缶が1本350円でも買う!400円でも買う!」みたいなことばかり。とにかく水分が欲しい。

またまた迂回路の標識

13:35頃、山道から抜けたあたりでまた迂回路の標識がありました。

とにかく『発心門王子』にたどり着きたい!

車道に出た頃から私が先に行く形になりました。今回の迂回路は、正式なルートよりも少しは楽かもしれない…!

少しだけ歩きやすい平坦な道

さっきの下り階段よりは少しだけ歩きやすい、平坦な道をずんずん進みます。いつのまにかエリーと離れ離れ。振り返ってもまったく姿が見えなくなりました。

ベルギー人カップルを追い越したり、追い越されたり(彼らは歩くスピードは速いけど、立ち止まって蛇を愛でたり、景色を楽しんだりしていました)しながら、ひたすら前へ、前へ。Y-mobileのSIMカードを入れたスマホは圏外のまま。

暑すぎる!

車道に出てきました。直射日光を全身に浴びる形になります。あ、暑い…というか、日差しが痛い。首の後ろの日焼けがイヤで濡らしたタオルを首にかけながら、ひたすら進むのみ。

誰も追い越さないし、誰からも追い越されない。さっき山道で私が追い抜いたベルギー人カップルも全然追いついてきません。

もしかして私、道間違えた?

1本道だったし、もし曲がり角があったら目立つように標識があるはずだから間違ってはいないと思うけど…でも自信がない。スマホは圏外。自分の現在地もわからないし、消防にも電話できないし、エリーにも連絡できない。

休憩所で補充してきた怪しげな水道水もほとんど残っていません。熱中症で倒れたらシャレにならない。残り少ない水分で、私の脳に「水は足りてますよ~!」とお伝えするにはどうしたらいいか。

苦肉の策で、少し口に含んだ水を飲みこまずにそのまま留まらせる作戦を思いつきました。これで私の脳は騙されてくれるだろう!妙に自信満々で、炎天下の中を歩き続けました。

『発心門王子』

14:10頃、ついに生きて『発心門王子』に到着しました。よろよろしながらクレデンシャルにスタンプを押して、日陰のベンチに座ってエリーを待ちます。

ここにも自動販売機はおろか、水飲み場もありません。ここから5分ちょっと先のバス停に自動販売機があると聞いています。そこまでたどり着けたら、私達はなんとかなる!

日陰のベンチでボーッとしていたら、日本人の若者カップル(女性はひらひらワンピースにフラットパンプス)が楽しそうにクレデンシャルにスタンプを押している光景が見えました。車でここまで来たのかな?

50mほどしか離れてない、ほぼ同じ場所にいるのに。かたや水が飲みたすぎて、でも飲み水が尽きて、汗だくで、濡れた手ぬぐいを頭に載せて意識朦朧としている私と、かたや夏の楽しいデートのひとコマ。どちらも現実。まるでパラレルワールド。

少し経ってベルギー人カップルが到着、ベンチで隣に座ってきたのでおしゃべり。そうしながらエリーを待ちますが、彼女はなかなか到着しません。迂回路に入る頃、彼女が結構つらそうな顔をしていたのが心配になってきました。

私よりも健脚だから、ここで待っていればそのうち到着するだろうと思うと同時に、何かトラブルあってどこかで倒れたり、座り込んでいたらどうしよう。休憩所の怪しい水道水を拒否した彼女は、私よりもはるかに水分摂取量が少ないはずだから。

どうしよう、連絡しようにも私のスマホは圏外。自分で来た道を戻って様子を見に行くべきか?ミイラ取りがミイラになってしまう?それとも、電話が使えるところまで走って救助を要請したほうがいいのか?悩む。

考えあぐねていたところに、遠くエリーの姿が見えてきてホッと一安心しました。想像以上に元気そう。彼女のスマホは少し手前から電波を拾っていたらしく、Google Mapsで『発心門王子』までの距離を確認して計画的に残りの水分を摂取してきたそう。さすが。

エリーも到着したとなれば、あとは自動販売機を目指して進むのみ!一緒に下り坂の車道を歩くこと約5分。バス停の右奥に自動販売機が見えてきました。

自動販売機に向かう女子たち

「ミネラルウォーターとかポカリが売り切れで、あったか~い『ぜんざい』しか売ってなかったらどうしよう」どうでもいいことを言う私に「ぜんざいでも水分は水分!私は飲むよ!」とエリー。いや、さすがにここで缶ぜんざいはないでしょ(笑)

自動販売機が近づいてきた頃、先に到着していたベルギー人男子が「全部売り切れだよ~」と英語で叫んだので、私達3人、えー!!!!となりました。

つまらない冗談だったんですけどね。14:30、ついに夢見た自動販売機で生き返りました。

なぜか1本目にカルピスソーダと、疲れ切ったエリー。

2台ある自動販売機のうち、片方はミネラルウォーターもスポーツ飲料も売り切れていましたが、もう片方で購入できました。気持ちが高ぶりすぎてコインを入れる手も震えちゃって、ボタンも押せなくて買えない。私は血迷ってなぜか1本目にカルピスソーダ。

エリーは600ml(無料で増量中)のスポーツ飲料を一気飲み。まさに、本人も驚く一気飲み。「これ、既に脱水症状だったってことだよね…」うん、確実にね。その後も私は500mlのスポーツ飲料を2本飲み干し、お腹たぷたぷ。

オーナーさんが用意してくださった昼食用のおにぎりとバナナ

大きなおにぎりが3個も!

疲れすぎていて、お腹はすいているような気がするけれど何も食べる気になれない。でもここで食べておかないとゴールまでもたないから、となんとかおにぎりを飲み込みました。

自動販売機前でお弁当を広げ、暫しの休憩(このままずっと座っていたい)をしていたら、スポーツウェアのノースリーブ&ホットパンツに小さなリュックを背負った日本人中年男性が小走りで登場。左腕の肘から手首にかけてバンドエイドが貼ってあるものの、すごい流血です。

「腕、大丈夫ですか??」思わず話しかけると「あ、これですか?ちょっと転んじゃって~。ハハハ!心配ありがとうございます!大丈夫です!」

え、すごく心配ですが!

「ところで、ここから熊野本宮大社までどのくらい距離あるかわかりますか?ボク、今朝4時すぎに紀伊田辺駅を出発して山道走ってきたんです。今日、熊野本宮大社にゴールして、その後にそのまま予約した旅館に向かうんですけど、18時の夕食までに間に合わないとご飯出さないって言われちゃって~(笑)」

ちょっと待ってください。いろいろツッコミどころが多すぎてどこからツッコめばいいかわからないんですけど(笑)

読者の皆様のために説明させていただくと、まず紀伊田辺駅から滝尻王子の出発地点までバスだと40分、滝尻王子(私達が昨日出発したところ)から熊野本宮大社までは急な山道を38km。宿泊先はどの温泉宿かわからないけれど、ゴールの本宮大社から数kmはあるでしょう。

トレランってやつですか。タフすぎて怖い。私達が1泊2日かけて、ひーひー泣き言言いながら歩いている道(+α)を1日で走破しようとしている。そして、どこかで転んで流血しても小さなバンドエイドだけ貼って走り続けている。すごい、すごすぎる。

「えっと、ガイドブックによるとここから熊野本宮大社までは約7km、この先そんなにアップダウンもないと聞いています。そのスピード感なら1時間もかからないんじゃないでしょうか。今15時前なので、夕食にも間に合うと思います。お気をつけて~」と流血した彼を見送りました。

見送ってる場合じゃなくて、私達もゴールして温泉行かなきゃいけないの(笑)

さてと、あと7km弱ね。エリー、どうする?今もうすぐ15時。Dual Pilgrimとして巡礼証明書とピンバッジをもらうためには、今日中に『世界遺産熊野本宮館』に行かないといけない。そこは17時閉館らしいから、熊野本宮大社からまで熊野本宮館まで5分かかるとして、遅くとも16:45までには熊野本大社に到着したいよね。

えっとガイドブックによると「休憩時間や観光時間も含めた標準歩行時間は、発心門王子から熊野本宮大社まで約2時間20分」と書いてある。15時から2時間20分後…17時過ぎてる!だめだ、間に合わない!

どうしよう。なんとかなるかな。今日はゴールだけして、明日改めて証明書取りに行く?いや、でも今夜のお宿からまた戻ってくるの結構大変だよね、どうしよう。

あー、今朝もっと早く出発すれば、三越峠の休憩所であんなに休憩しなければ、ここでもゆっくりおにぎり食べてなければ…様々な後悔の気持ちがわいてきたものの、今更悔やんでもしょうがない。時間は戻らない。

行ってみよう。それでも間に合わなければ、なんとか対策を考えよう。私達なら行ける気がする!(根拠なき自信)

のどかな里山の風景

15:00、自動販売機前を出発。

(以下、ロッキーのテーマソングを脳内BGMに読んでくだされば、より楽しんでいただけるかと笑)

こんなゆるキャラもいました

8月の昼過ぎ。太陽は容赦なく降り注ぎます。降り注ぐ、なんて優しいものじゃない。私達に刺さります。

(日本の風景に馴染みのない外国人にとっては非常に楽しめるであろう)里山の風景も、優雅に楽しむことなく、ただ前を見つめて早歩きする私達。

15:12『水呑王子』を通過。クレデンシャルにスタンプ。自動販売機から1.5km弱、15分で到着した計算になります。いける、このペースならいける!

エリーを置いて歩き去る私

何かスイッチが入ってしまった私は、狂ったように早歩きで進んでいました。「エリーはついてくる!」と信じて、振り返ることなくずんずん。骨折しながらゴールを目指した、スペイン巡礼最終日のように。

私達の他に誰もいません

舗装された平坦な道!

『発心門王子』から熊野本宮大社までの約7kmの道のりは巡礼証明書を目的としない観光客にも人気のコースのためか、舗装されて非常に歩きやすい道が続きます。稼げる!距離を稼げる!いける、この調子ならいける気がする!

そのままの勢いで『水吞王子』から約2km先、『伏拝王子』に到着しました。

ここにたどり着く手前はずーーーーーーーーっと炎天下。遮るものがない里山の一本道、それも少し上り坂になった道を、ただ足元だけを見て進んできたのです。

熊野は「よみがえりの地」と言われ、はるか昔から救いを求めて多くの人が山深くの地を目指した、と言われています。険しく、厳しい苦行の果てには悟りが開けると信じられていたからです。

時代は令和になったけれど、どうしても熊野古道巡礼がしたかった私達も、何か救いを求めて歩き続けていたのでしょうか。

大斎原の大鳥居(伏拝王子からの眺め)。藤原定家が「感涙、禁じがたし」と言ったとか言わないとか。(画像お借りしました)

(ちょっと時代が遡りますが)藤原定家はその著作の中で、「熊野詣で」の道中のつらさを嘆いているそうです…道中で食料が尽きたり、倒れたり、その地で亡くなったり…当時は今では考えられないほど厳しい道のりだったようです。そんな熊野詣での終盤、目指す熊野本宮大社が初めて見える…!

そんなびに思わず伏して拝んだと言われる場所があり、それがここ『伏拝王子』。定家は「感涙禁じ得ず」とその苦労を乗り越えた感動の言葉を残したそうです。わかる、定家の気持ちわかる。(いきなり、親近感)

残念ながら私達は時間がなさ過ぎて、階段を上って藤原定家が眺めたであろう景色は見ることなく、クレデンシャルにスタンプを押し、お茶屋さんのトイレを借りて数分休憩して、先を急ぎました。次回は必ずや!

今度はエリーが前

なぜこんなにもつらい想いをしながら歩いているのか、途中で諦めたって誰にも何も言われないのに、なぜ止まることを選ばないのか。この道には、歩き続ける以外の選択肢を選ばせない何かがある気がしました。

『伏拝王子』を過ぎた頃から妙なテンションになっており、エリーとは少し離れて自分のペースで歩きながら、お互いに抜いたり抜かれたり、何度も「私が足手でまといだったら遠慮せずに置いていって!あなただけでもゴールして、証明書とピンバッジをもらって!迷惑かけたくないから。私のことは気にしなくていいから…」「いやいや、私のほうこそ!私が遅かったらおいてって。私のことは大丈夫」「いやいや、1人だとゴールできない!一緒だから頑張れるんじゃん!」「そうだよね!一緒だからがんばれるんだよね!絶対に2人でゴールしよう!」と言い合って、士気を高めていました。泣ける。

冷静に考えると、明らかに精神状態おかしい。こんなに整備されて、人も多くなった熊野古道で倒れたって誰かに発見されるだろうし、閉館時間に間に合わないだけで普通に本宮大社へのゴールは問題なくできるはずだし(笑)

ゴールは道標75の先!あと少し!

この頃から、熊野本宮大社までの最後の7kmをのんびりと景色を歩いていると思われる観光客の人々が増えてきて、そんなに広くない巡礼路が少し賑わってきました。外国人巡礼者達から「あなたたち、どこからスタートしたの?へー!滝尻なんだ!アメイジング!」と声をかけられたり。

景色を楽しむ観光客の隙間を必死の形相で速足で駆け抜けていく私達2人は、かなり異様だったはず。最後の下り階段では「すみません~!通ります~!ごめんなさい~!」と声をかけながら走り下りました。

道標74!もはや画像ブレブレです!

住宅地に出てきました!

巡礼路に沿って歩いていくと、熊野本宮大社の裏に到着すると聞いていました。あの正面に見える森のようなのが熊野本宮大社?なかなかそれらしきものが見えません。腕時計とにらめっこ。まだ間に合うはず!ついつい小走りになります。

熊野本宮大社裏の鳥居手前にも『祓戸王子(はらいどおうじ)』があり、はやる気持ちを抑えつつ、ちゃんとスタンプを押しました。あとは熊野本宮大社のスタンプを押すだけ!

ついに!

16:33、熊野本宮大社の裏の鳥居が見えてきました!

途中、ほぼ景色を楽しむことなく無我夢中で歩いてきたため、標準歩行時間から40分縮めて1時間40分で熊野本宮大社に到着することができました。感涙、禁じがたし!

勇ましく、ごつい後ろ姿。帽子もしっかり被れてません。

裏の鳥居をくぐって、ぐるっと左回りに進んでいくと本宮大社に到着です。

「先に世界遺産熊野本宮館で証明書をもらってからまた戻ってきて、ゆっくり参拝しようか?」なんて話していたものの、あまりの灼熱地獄と、高台にある熊野本宮大社から世界遺産熊野本宮館への石段が結構きつそうなので、先に参拝をしていくことにしました。

熊野本宮大社(撮影NG。熊野本宮観光協会ウェブサイトからお借りしました)

厳かな熊野本宮大社で、今回の熊野巡礼を無事に終えられた感謝をして(まだ、この先の長い石段で転んだりするかもしれないけど、たぶん大丈夫!)参拝を終えました。

本宮大社内テントの売店で、3枚セットのポストカードも購入。熊野古道巡礼土産話を楽しみにしてくれている茶道の先生とお姉さん友達に送ろうと思います。

転ばないように気をつけて石段を1歩ずつ

すごい石段でしょ?

股関節ガクガクの状況で、転ばないように慎重に、でもなるべく急いで石段を下りてきました。

世界遺産熊野本宮館

石段を下りて、道路を渡った先に見えてきました『世界遺産熊野本宮館』。ピンバッジをください!

まずはリュックとストックを置かせてもらいました

16:50、エリーと一緒に『世界遺産熊野本宮館』に飛び込みました。閉館直前にすみません!

若干驚いているスタッフの方に「えっと、ピンバッジ…じゃなくて、えっと、デュ、デュアルピルグリムの証明書をいただきたくて…!」焦りすぎてうまく日本語が出てきません(笑)

熊野古道クレデンシャル(ところどころ逆向き、十丈王子なんてほぼ押せてない)

ゴール!

徒歩で巡礼した証拠として、今回の熊野古道クレデンシャルとスペイン巡礼クレデンシャルを提出しました。デュアルピルグリム(2つの道の巡礼者)の証明書を発行してもらう間に、カウンター前のテーブルに座ってアンケート用紙に記入しなければいけなかったのですが、2人とも疲れすぎて、ボールペンを持つ手が震えて字は汚いわ、間違えるわ。

アンケート用紙には、スペイン巡礼の期間や出発地、熊野古道の選択したコース、感想を書き込む自由欄などがあり、一応記入はしたものの、記入する欄がずれたり、全然違うことを書いたり、もう散々。ボールペンで修正しまくって(汚すぎて申し訳ない)アンケート用紙を提出して、涼みながら待機。

証明書とピンバッジいただきましたー!

すっぴんで、暑くて顔が真っ赤、髪もぐちゃぐちゃだけど帽子被ればOK、記念撮影。一緒にスペイン巡礼したみんなに早く報告したい!(早速、スペイン巡礼仲間の韓国男子ジニーにLINEしておきました)

クレデンシャル、証明書、ピンバッジ

たった2日しか持ち歩いてないのに、水分でぐちゃぐちゃになったクレデンシャル

熊野古道デザインのクリアファイルに入れてもらった証明書を受け取って、熊野古道巡礼は無事完了しました!

閉館時間を少し過ぎてしまってすみません。スタッフの方から「この後、どうされる予定ですか?どこか宿泊されますか?」と聞かれたので「はい、湯の峰温泉に予約してあります!タクシーで向かいます!」と元気よく答えたら、「この時間だともうタクシーは1台もないんですよ~。どこの宿ですか?電話して、迎えの車を出してもらいましょう!」なんたる優しさ。こちらからお願いする前に移動手段の心配をしてくれて、アレンジしようとしてくれるなんて…諸外国では絶対にやってもらえない。

お言葉に甘えてお願いして、椅子に座って待つこと数分。17時すぎ、宿から送ってきたお客さんを乗せた送迎シャトル(ワゴン車)が到着。ワゴン車に乗り込んで『湯の峰荘』へ。

様々な人々のサポートによって(私達が安全に巡礼できるのは、昔から今日に至るまで、巡礼者のために尽力してくださる方々のおかげです。感謝してもしきれません!)なんとか無事に熊野古道巡礼を終えて、デュアルピルグリムの証明書も発行してもらった。すべて終わった…

まだ実感がわかず、疲れて呆然としながら何気なく車窓を眺めていたら、見慣れた後ろ姿が!発心門王子後の自動販売機で言葉を交わした、タフすぎる流血のトレランおじさんが歩道を走ってるではないですか!!!彼が無事に宿に到着して、夕食にありつけますように、心の中でそっと願いました。

17:15頃、今夜のお宿『湯の峰荘』へ到着。

和室

温泉に入って、浴衣に着替えて、ビール飲んで、最高♡

中辺路巡礼路2日間の道中、つらかったこと泣きたかったこと、全部忘れました(笑)


命がけの熊野古道女子2人旅の記録、4日目です。今日はエリーと別れて、おうちに帰ります。

私達が宿泊した『湯の峰荘』は、湯の峰温泉バス停から少し距離が離れていたため、前日までにお願いしておくと宿の無料シャトルバスでバス停まで送ってくださるサービスがありました。

「何時頃出発されますか?朝早くても何時でも大丈夫ですよ!」と言ってもらえたので、特に熟慮することなく8時頃にお願いしました。(判断ミス!何度目!)

世界遺産の「つぼ湯」(実際に入浴できます)

バスを待つ間、雨が降ってきました

それぞれ名古屋と東京に戻るためには、三重県の『新宮駅』から特急に乗ります。熊野古道はなんたって世界遺産の観光地だし、特急の本数も多いでしょう。そんなにしっかりプラン立てずに、出たとこ勝負で来た特急に乗ればいいよね~、なんて考えていた私達。『湯の峰温泉』のバス停に来てから、特急の時間を調べたらなんと…特急の本数がめちゃくちゃ少ない!

9:13発の次は、12:44発!このバス停から新宮駅までは約1時間かかるので、この時点で9:13発の伊勢鉄道 特急ワイドビュー南紀4号(名古屋行)には絶対乗れない。新宮駅周辺で3時間近く時間潰せるところあるだろうか。

『湯の峰温泉』バス停

8:39頃、新宮駅に向かってバスが出発。私達は始発バス停だったので座れましたが、バス停で停車するごとにどんどん乗り込んでくる外国人観光客。すでに通路も立っている乗客でいっぱいです。

「昨日の流血してたお兄さん…おじさん?、もう帰っちゃったのかな。それとも今日も朝からどこかの山道走ってるのかなあ」なんてふとつぶやくエリー(バス通路側)。エリー、さっきのバス停から乗り込んできてエリーのすぐ隣の通路に立ってるよ!昨日のおじさん!

こんな日本の僻地(?)なのに、バス車内はほぼ外国人観光客!

このまま新宮駅に直行しても時間があまりすぎるので、予定変更。途中下車して『熊野速玉大社』に参拝していくことにしました。バス停『権現前』で降りて、歩いて5分ほどで到着です。

どうやら、バス通路に立っている昨日のトレランおじさんも途中下車するようです。やっぱり違う。動きが違う。目当てのバス停に近づく前にじりじりとバス先頭に移動していき、バスを降りた瞬間に一目散に『熊野速玉大社』へ小走り!

バスが停まってから立ち上がり、バス停に降りてから「えっと、どっちの方向だっけ?」とかやってる私達とは勝負になりません。これ以降、彼の姿を見ることはありませんでした。

『熊野速玉大社』

『熊野速玉大社』奥のほう

実は私達が歩いた中辺路ルートは『熊野本宮大社』がゴールではなく、ここ『熊野速玉大社』にも繋がっているのです。

私が全身アウトドアウェア(Tシャツ、長ズボン)でリュックを背負い、登山靴を履いてうろうろしていたせいか、観光客とみられるご夫婦から「まあ、この裏の山から下りていらっしゃったの?大変だったでしょう!私達もいつか歩いてみたいと思っているんだけど、なかなかね~」と声をかけられる始末。

「今日は歩いてないんですけど…いいところですよね!」と笑顔で対応しておきました。「山から下りてきた」ってなかなかのパワーワード(笑)

新宮駅

参拝を終えて、またバスに乗って新宮駅に到着。想像以上に閑散とした駅周辺。時間を潰せそうなカフェが見当たらない…。

駅前でかなり目立っているローソンのイートインスペースで、メガカフェラテを飲みながらエリーと今回の熊野古道の振り返り反省会。他にも同じく特急を待っているであろう乗客達でイートインスペース大盛況です。それにしても暇すぎる。

あまりにも暇なので、11:30頃、目の前のお寿司屋さんに入ってランチ。

マグロ漬け丼ランチ

あっという間に食べ終わって、さっきのローソンに逆戻り。またカフェラテを買ってイートインスペースで特急電車が来るまで待ちました。私達、ローソンに滞在しすぎ。でも、イートインスペースの顔ぶれもそんなに変わりませんでした(笑)

12:30頃、ローソンを出て駅に移動し、待合室でパンダの看板と記念撮影。12:44発、新宮駅の伊勢鉄道 特急ワイドビュー南紀6号(名古屋行)に乗車。お互い爆睡して約3時間半、東京まで戻るエリーとは名古屋駅でお別れ。

思いつきで、勢いだけで実行してしまった、真夏の3泊4日の熊野古道巡礼女子2人旅。熊野の神々に見守られ、たくさんの方々の優しさに助けられて、なんとか生きて(骨折もせずに)終えることができました。

つい4ヶ月半前にスペインの山中で偶然知り合い、1ヶ月以上の苦楽を共にしたばかりのお友達と、今度は母国の巡礼路を一緒に励まし合って歩けた幸せ。今回も、巡礼道中はつらくてつらくて「こんな時期に、こんなところに来るんじゃなかった」と100万回くらい心の中で呟き続けたものですが、歩き終えた今は、達成感と爽快感のみ!(美化するの早い)

スペインとはまた違う、日本の自然の瑞々しい美しさを再認識する良い機会になりました。そして、湿気のすごさも。

スペイン巡礼ゴールの夜、「またいつかどこかで、一緒に歩けたらいいね!」と語り合った願いがこんなにも早く叶うなんて…さて、次はどの国の、どこのトレイルに挑戦することになるのでしょうか(笑)

最後に、私が読者の皆様に伝えたいことは、ただ1つ…

8月の熊野古道巡礼は自己責任でお願いしますね♡

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