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【熊野古道(中辺路)巡礼】「え、熊野古道って山道なの?」炎天下の山道を歩いて命の危機を感じた35歳女子2人、3泊4日の記録(前編)

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※以下、2019年8月に訪れた『熊野古道巡礼』の備忘録です。

「ねえねえ、サンティアゴ・デ・コンポステーラと熊野古道の両方の巡礼達成すれば、Dual Pilgrim限定ピンバッジがもらえるんだって!みんなで一緒に行く?」

2019年4月20日。スペイン巡礼32日目の夜。約800kmにおよぶ巡礼路のゴールを明日に控えた私達は、Pedrouzo(ペドロウゾ)の村の巡礼者向けバルでいつものメンバーで夕食を取っていた。

牛ステーキはタイヤゴムのように硬く、パエリアは塩辛すぎて食べれたもんじゃなく、地中海サラダは、どうしたらこの味が出せる?と逆に気になるほど美味しくなく、イカフライは明らかな冷凍食品。普段は出された食事を残さないスコットランド人男子でも静かに半分くらい残して食事を終えるような魚料理…を前にして、1ヶ月以上続いたスペイン巡礼がもうすぐ終わる安堵感と、もっと大きな喪失感に包まれていました。

言い出しっぺは誰か覚えていないけれど、突如話題に上がった「Dual Pilgrim限定ピンバッジ」(笑)

Dual Pilgrim(デュアルピルグリム。「二つの道の巡礼者」という意味)』とは、日本の「熊野古道」とスペインの「サンティアゴ・デ・コンポステーラの道」の二つ道の巡礼を達成した人のことを指します。

「ピンバッジは要らないけど、このメンバーで一緒に熊野古道に行けたら楽しそうだよね!」そんなことを言い合いながら、スペインから約10,000km離れた日本で、またここにいるメンバーの誰かと一緒に熊野古道を歩く日は来ることはないだろう、と皆、心のどこかで思っていました。

スペイン巡礼ゴール直後のエリーと私。(2019年4月21日、サンティアーゴ・デ・コンポステーラにて)

翌日、2019年4月21日。イースターサンデー。晴れ渡る青空の下、無事にサンティアーゴ・デ・コンポステーラの大聖堂にゴール。私は前日から左足首を疲労骨折しながらも、みんなの励ましのおかげでなんとかラスト20kmを歩き終えました。

翌日には、さらに西へ、地の果てと呼ばれる「フィステラ」の岬へ向かって歩き続けたエリー達。さすがに徒歩はギブアップして、バスで向かった私。それぞれの巡礼を終え、ポルトガル観光などを楽しみつつ、日本へ帰路につきました。


時は流れて、2019年6月上旬。平日夜の銀座。

バスク料理店で久しぶりの再会を喜んでいた私とエリー(日英仏トリリンガルの才女。スペイン巡礼途中に出逢った同い年の戦友かつ恩人)。スペイン巡礼中は1ヶ月以上、毎日お互いのすっぴんを見続けていたから、お化粧した顔を見るのはこれが初めて。すごい、お化粧すると東京っぽくなるねー!という謎な褒め合いをしつつ、やっぱり話題はスペイン巡礼の思い出と、やっぱり行きたい「熊野古道」。

私はスペイン巡礼&その後のポルトガル観光を終えて帰国したらそのままの勢いで熊野古道巡礼したいなぁ、なんて秘かに思っていたものの、スペインの病院のレントゲンでは見つからなかった疲労骨折を、日本の整形外科のドクターがCT検査でアッサリと指摘。

ドクターから「左足首の骨がくっつくまで安静(激しい運動は禁止)」と言われており、熊野古道なんて言い出せる雰囲気ではありませんでした。

転職後のエリーも仕事が忙しそうで「一緒に熊野古道巡礼できたらいいよねぇ。でも難しいねぇ…」と、デザートのバスクチーズケーキを食べながらため息ついていました。

どうしてここまで熊野古道巡礼したかったのか。

ピンバッジが欲しかった、からではありません。何か私達を惹きつけるものがある、でもそれが何なのかはこの時点ではわかっていませんでした。


約1ヶ月後の2019年7月上旬。

私が8月末頃にまた長期で日本を離れることが確定になり、左足首の骨折も回復していたことから「熊野古道巡礼するなら今しかない!」と思い立ち、ダメ元でエリーも誘ってみたところ即二つ返事で「オッケー、私も行くよ!予定は合わせる!有給取るよ!」。誘ったのは私なのに、逆に驚いちゃった(笑)

Dual Pilgrim巡礼達成の条件

【スペイン巡礼(サンティアーゴ・デ・コンポステーラの道)】

下記のうち、いずれか1つを達成する必要があります。

●徒歩または馬で少なくとも最後の100km以上を巡礼する→クリア!
●自転車で少なくとも最後の200km以上を巡礼する

【熊野古道】

下記のうち、いずれか1つを達成する必要があります。

●徒歩で滝尻王子から熊野本宮大社(38km)まで巡礼する→これにトライする!
●徒歩で熊野那智大社から熊野本宮大社(30km)間を巡礼する
●徒歩で高野山から熊野本宮大社(70km)まで巡礼する
●徒歩で発心門王子から熊野本宮大社(7km)まで巡礼するとともに、熊野速玉大社と熊野那智大社に参詣する

 ※熊野古道の巡礼は徒歩に限られます。自転車や馬での巡礼はできません。

『田辺市熊野ツーリズムビューロー』から引用


銀座の夜から約2ヶ月後、2019年8月上旬。和歌山県の紀伊田辺駅に向かって出発しました。

『わかやま観光情報』より画像お借りしました)

ピンバッジをもらうための条件を満たす熊野古道4コースの中から、エリーと相談して選んだのが『徒歩で滝尻王子から熊野本宮大社(38km)まで巡礼する』

圧倒的に歩行距離が短いコースは『徒歩で発心門王子から熊野本宮大社(7km)まで巡礼するとともに、熊野速玉大社と熊野那智大社に参詣する』ですが、これだと熊野本宮大社にゴールした後にバスなどを使って他2つの大社を参拝しなければいけません。

また、スペイン巡礼を終えた巡礼者からすると7kmというのは短すぎてあっという間に終わってしまうので、もう少し熊野古道を楽しみたいなという思いがありました。(こんなこと言ってられたのは、熊野古道がなんたるものか全く知らなかったから!泣)

近鉄名古屋駅からまずは大阪方面へ向かいます

母特製の塩キュウリ。水分補給の手段として、山登りする人達にとっては有名なんですって(母は山登りしません笑)

金曜日。13時ちょうど発の近鉄特急に乗り、近鉄名古屋駅から、大阪・鶴橋駅へ。その後、JRに乗り換えて天王寺駅へ。15:32発『特急くろしお17号』に乗って、大阪・天王寺駅から和歌山県・紀伊田辺駅に向かいます。

今回のためにストックを新調しました

スペイン巡礼の時は義理の兄からストックを借りていましたが、フィステラ行きのバスに乗る時に折ってしまい使い物にならなくなっていたので、今回の熊野古道巡礼のために自分で買いました。やる気!

逃げ遅れそうなパンダ

17:26、JR紀伊田辺駅に到着!

想像以上にのどかな駅

わかぱん…

四半世紀以上日本に住んでいたけれど、和歌山県を訪れるのは今回が初めて。日本国内でも陸路で和歌山県にアクセスするのはなかなか大変(時間がかかる)とは聞いていたものの、本当でした…近鉄名古屋駅から紀伊田辺駅まで、電車を乗り継いで4時間半!飛行機だったら、香港やフィリピンに着いちゃう!

熊野古道巡礼は日本人はもちろん、世界遺産に登録されてからは外国人巡礼者が非常に多く、スペイン巡礼中にも多くの外国人巡礼者から「日本の四国お遍路と熊野古道に行ってみたい!(もしくは、行ってきた!)」という話を聞きました。それだけ観光客(巡礼者)が訪れることから、てっきり大きな駅なのかと思ったら、地方によくあるローカルな駅でした。

熊野古道巡礼ハイシーズン(5,6月、または10,11月)はかなり混雑するのでしょうが、今は8月。少しでも熊野古道について調べた人なら絶対に避ける時期です。(私達は後から知りました…)

そのため、駅周辺にも地元民ばかり、熊野古道巡礼に来たと思われる観光客の姿はほとんど見かけませんでした。

改札を出ると、駅に隣接した『田辺市観光センター』があります。ここで熊野古道巡礼クレデンシャル(巡礼路中のスタンプを集めていくためのノートのようなもの)やパンフレットなどを入手できるのは知っていたのですが、まずはホテルにチェックインして休憩したいと思いが勝り、そのままホテルに向かいました。(痛恨の判断ミス、その1!)

今夜のお宿!ビジネスホテル『花屋』

ホテルの案内には、JR紀伊田辺駅から徒歩3分と書いてありましたが、地図を確かめながらゆっくり歩いて6〜7分ほどかかった気がします。チェックイン時に、翌朝の朝食(和食か洋食)を選べるので、エリーの分も勝手に洋食でリクエスト。5階の部屋は小さいながらも綺麗にリノベーションしてあり、快適です。

荷物をおろして、登山靴を脱いで靴下も脱いでビーサンに履き替え、長ズボンも脱いでショートパンツに履き替えて、爽快〜!列車内は空調が効いていましたが、駅から歩いてきただけで汗だく。

テレビをつけて、夕方の関西系ローカル情報番組を眺めることなく眺めながら「そうだ、田辺市観光センター行かなきゃ。明日は出発早いから寄れないし」と思ってGoogle Mapsで営業時間を見たら、18時閉館。時計を見たら、現在17:53。残り7分!

間に合うのか?間に合わないのか?エレベーターがすぐに来て必死で走れば3分?閉館2分前には駆け込める?どうする?と自問自答することコンマ数秒。間に合う自信はないけど、賭けてみることにしました。

写真右の茶色の建物が『田辺市観光センター』

ラッキーなことに、エレベーターが5階で止まったまま待機していたので飛び乗ってスムーズに1階へ。ホテルを出てビーサンで無我夢中で走り抜け、17:57に田辺市観光センターに到着できました。やればできる。ホテルから駅まで3分でも行ける!(超ダッシュすれば!)

顔ハメ写真パネル

出ました!サンティアゴ・デ・コンポステーラ市!

息切れしながらスタッフの方に挨拶をして入館し、グルっと見て該当パンフレットとクレデンシャルを2人分もらって、田辺駅のスタンプを押して、17:59に外に出てきました。お騒がせしました。思い込みではなく、営業時間はなるべく早めに確認しなきゃいけませんね。

観光センターと駅改札の間のセブンイレブンに寄ろうと思ったら、まさかのcoming soon!私の訪問した数日後にオープン予定でした。(なので、今は営業してるはず)

熊野古道巡礼クレデンシャル(もちろん紙製)

巡礼路でこのクレデンシャルにスタンプを押していくことで、ちゃんと歩いたことの証明になります。

参考情報がいっぱい

駅からホテルに戻る途中にスーパーがあったので、今日の夕食や明日の水分を買おうと思って店内をブラブラしているところに、エリーからLINE。「今、会社終わって東京駅に向かってる!色々忘れ物した!歯ブラシ忘れた。洗顔料忘れた。新幹線ギリギリだから買う時間ない!」なんかもう必死さが伝わります。

「歯ブラシはホテルにあるし、洗顔料は買っておくし、他に何か欲しいものがあったら言ってね!」ということで、金曜に東京・大手町で仕事を終えた足でそのまま和歌山県の紀伊田辺まで向かう彼女にエールを送っておきました。ところで、今日中に到着できるのかな?笑

ホテルに戻ってシャワーを浴びて、ローカル番組を見ながらおにぎりを食べてのんびり。もちろん、エリーはまだ到着しません。ときどき「今どこー?」とLINEしたけれど…和歌山までは、まだまだですね。

23時50分頃、「紀伊田辺駅に着いた!」と連絡があったので部屋の窓から駅の方角を見ていたら、見えてきました。紺色の素敵なカシュクールワンピースに、ストックを挿した登山リュックを背負い、登山靴を履いて力強く歩いてくる東京OLの姿が。東京駅から約6時間、長旅お疲れ様でした。さすがに会社ではパンプスに履き替えてたそうですが、今朝の出勤は登山靴に登山リュック…さすがね。

銀座のバスク料理店以来、2ヶ月ぶりの再会だったにも関わらず、消灯した後も話は尽きず(メインは、脳内美化されたスペイン巡礼の思い出話)、気づけば夜中2時すぎ。明日は7時起きで一日歩くから、早く寝なければ!


翌朝。熊野古道巡礼1日目です。

お化粧はしないので、着替えて、日焼け止めだけ塗りたくって階下の朝食会場に行きました。

朝食会場(ホテル1階)の喫茶店は、アーリーアメリカンなインテリア。ホテル外観とのギャップがすごい。

オシャレな洋食セット。コーヒーか紅茶もついてきました。

ホテル外観とかなりギャップのある店内インテリアにちょっと驚いたものの、プレートに載ったかわいい洋食セットに大満足。食後のコーヒーも頂いて、まったり。

…してる場合ではなく、早くしないと滝尻行きのバスに乗り遅れちゃう。チェックアウトして、エリーと2人、バス乗り場に向かいました。まだ8時前ですが既に日が高く、じりじりと暑さが襲ってきます。イヤな予感・・・

『快速 熊野古道号』に乗り込みます

ここにもいました、わかぱん

バス料金はおつりが出ません。同じバス車内には、私達よりも登山装備バッチリな方々が数名。皆さん、今日は一緒にがんばりましょうね!

8時頃に紀伊田辺駅を出発したバスは、市内を抜けて、どんどん山の中に入っていきます。車窓からはいかにも清流という川が流れているのが見えます。

海外育ちのエリーには非常に珍しい光景らしく「ゆかちゃん!山!川!すごいね〜!テレビで見たことあるけど、実際には初めて見たよ!」と大興奮しているのが可愛くて。私は地元にもよくある景色なので、全く興味が持てず半分寝てました(笑)

熊野古道の本当の姿を知らず、まだ陽気なエリー(これから、後ろの山を上っていくなんて1ミリも想像していなかった頃)

8:40頃、「滝尻」バス停に到着。てっきり同じバスに乗っていた登山ファッションの方々もここで下車するかと思っていたのに、私達以外誰も下車することなく、そのままバスに乗っていってしまいました。一緒に歩く人達がいると思ってたからなんだか拍子抜け。でも、今から熊野古道巡礼が始まるワクワクでバス停で記念撮影なんかしちゃったり。いいお天気!

この時はまだ2人とも知らなかったんですけど(そして、一般的には有名らしいんですけど)、「熊野古道」って、山道なんですよね!ご存知でした?

私達は熊野古道について全く無知ではなかったけれど、巡礼したい欲が強すぎて、下調べが甘かったようです。ところどころ山道だけど、あとは平坦な道だと思っていたら、勘違い!ほぼずっと山道!上り坂!上り階段!たまに下って、また上り坂!もう、ビックリです。

2人で相談して4コースの中から『徒歩で滝尻王子から熊野本宮大社(38km)まで巡礼する』コースを選びました。

「2日間で38kmかあ、1日で19km。楽勝じゃない?」

その後、『わかやま観光情報』のウェブサイトを見ていたら、下記のような記述を発見。

熊野三山の聖域のはじまりとされる滝尻王子から熊野本宮大社まで、1泊2日で歩くロングコース。

途中、近露王子か継桜王子の近くに宿泊することができます。

【距離:約38km 標準歩行時間:各日約6時間30分~7時間】

※歩行時間に休憩時間は含まれていません。

ちょっと待って。

標準歩行時間:各日約6時間30分~7時間?

スペイン巡礼時のペースは、平坦な道では5km~/h、少しきつい山道では4km/h、骨折した時は2km/hだったので、その感覚だと「19kmは4時間、余分にかかっても5時間」なんですよね。

それがここにはハッキリと「約6時間30分~7時間」と書かれている。この情報を真面目に受け入れればよかったのですが、おバカな私達は「これは中高年以上の人がゆっくり歩くケースを想定した歩行時間じゃないの?」と、ノコノコと和歌山県までやってきてしまったのです。しかもご丁寧に「※歩行時間に休憩時間は含まれていません。」とも書かれている…なんてこった。

読者の皆様には覚えてもらいたいのですが、この勘違い熊野古道巡礼が行われたのは猛暑の8月!東京の街なかを歩いていても熱中症になりかけるような殺人的な暑さの中、山登りをするのです。まさに、自殺行為!

無謀な私達2人が無事に生きて帰れるか、見守りください。

中辺路(なかへち)コースのスタート地点!

この石碑の前でも、まだ真実に気づかず呑気に記念撮影してました。周囲には私達以外、誰もいません。

写真中央やや右、この小さな小屋にクレデンシャル用のスタンプが入っています

扉を開けるとスタンプとスタンプ台が入っているので、順番にクレデンシャルに押していきます

『滝尻王子』で巡礼の安全を祈願して・・・

この先、熊野古道巡礼路の道中には『〇〇王子』や『〇〇王子跡』が出てきますが、これらは熊野の神様が祀られている(いた)ところであり、参詣者の休憩所になっています。

昔の参拝者も、標識が何もない山道を歩いていくのは不安だったでしょうし、このようにところどころチェックポイントのように『王子』があることで、現代の我々にとっても間違いなく進んでいるという安心感がありました。

500m毎にこの道標が立っており、自分の居場所がわかるシステム

起点!

8:50am、ついに熊野古道(中辺路)巡礼スタートです。

ちょっと待って?

起点をスタートしてテクテク。平坦な道は数分も経たないうちにあっという間に終了し、いきなりこの石段です。そして、この看板です。もしかして私達、なんかやばいところに来ちゃった?

本当にやばいところでした

胎内くぐりの案内看板

え?これを?くぐる?

スペイン巡礼でも、上り坂が得意な私と平坦な道が得意なエリー。得意分野が違うので、ずっと同じペースで歩いているわけではありません。並んだり、追い抜いたり、追い抜かれたり。

最初、元気に上り坂を上っていた私が先頭を歩いていたら、胎内くぐりの岩にやってきました。やや遅れて追いついてきたエリー。「え?この岩をくぐるの?リュック背負ってたら無理じゃない?でも行くしかないんだよね?」

試しに私が頭を突っ込み、岩の隙間に入ってみたものの、完全にスタックしてしまいました。リュックおろしても無理!前にも進めないし、後ろに下がるのもひと苦労。後ろからついてきたエリーも、これ絶対違うよね!間違ってるよね!とさっさと穴から出てしまいました。

奥に入りすぎた私はこのまま出られなかったらどうしようと焦りつつ、スポーツタイツを履いた膝が土だらけになりながら、なんとか下がって、外に出れました。怖かったー。

胎内くぐりの看板をよく見たら、迂回路が書いてありました…落ち着こう、私達、というか、私。

『不寝王子』

間違った胎内くぐりをしそうになって、迂回路を通り、山道を歩いて数分後、9:10すぎに『不寝王子』に到着。クレデンシャルに1つめのスタンプを押しました!ガイドブックによると、ここはまだ出発地点から500m…先は長い。

こうやって小石が積まれているのはよく見かけます

道がわかりません

石段を上ります

まだスタートから1km地点!

9:39am頃、道標がありました!なんと、まだ2!スタートから49分かかって1kmしか進んでない…これは、本気でやばいかもしれない。

橋のようなものがある…雨になると小川になっちゃうんでしょうね

完全に服装選びをミスった私

もう疑いようがないけれど、私、服装選びを完全にミスっています。スペイン巡礼(スペイン北部の3〜4月はまだ寒い)と日本の8月は全然違うのに。

黒色のmont-bellジオラインLW(インナー)に、黄色のmont-bellのストームクルーザージャケット(GORE-TEX)を重ね着してますが、どう考えても暑すぎる。

下半身も、黒スポーツタイツに黒ショーパンを重ね履きで真っ黒なので、ジャケット着ていると蜂さんカラー!暑いからとジャケットを脱ぐと、全身真っ黒!スズメバチの攻撃対象に早変わり!黒は着てきちゃダメって誰か言ってたのに〜

スズメバチの巣が近いのか、ところどころスズメバチが大量に襲いかかってきて私の周りを飛び回って全然離れてくれません。刺されないか怖くて怖くて。エリーに頼んで、虫除けスプレーを全身にかけてもらったけれど効果なし。

全身黒はダメだし、ジャケットを着ると熱がこもって暑すぎてダメ。顔が熱くて赤くなっているのが鏡を見なくてもわかりました。木々が遮るので直射日光は当たらないけれど、かといって涼しいわけでもない。とにかく暑くて暑くて、スズメバチこわい。

反対に、賢いエリーは大正解。白っぽいベージュのツバ広帽子に、速乾Tシャツに、UNIQLOのUVカットメッシュパーカーを重ねて涼しそう(実際は暑かったらしい)。全身どこにも黒を身に着けていない!

ところどことにこのような標識があるので、基本的には道に迷わないようになっています

植物が生い茂ってます

針地蔵尊

完全に歩くのを放棄した人

「暑すぎて、苦しすぎて、もう歩けない…」

少しでもクールダウンできるように水で濡らした手ぬぐいをそのまま被って(帽子はどこ行ったんだろう)、力尽きている私。少し前を歩くエリーが立ち止まって励ましてくれるけれど、もう歩けない。私のことは置いていって。持ってきた水分も、既に尽きてしまった。暑い。喉が乾いた。もう無理。水をください。

テレビ塔

エリーが辛抱強く励まして、ゆっくり歩いてくれて、なんとか坂を上り切りました。テレビ塔が見えたらもうすぐ人家エリアになる、と聞いていたのでテレビ塔が見えてちょっと元気が出ました。

山道が途切れて、人家が見えてきた!

山道を抜けたはいいが、暑すぎる

本日初の集落が見えてきましたが、直射日光を遮るものが全くありません。8月の直射日光にさらされて死ぬかと思いました。これなかまだ直射日光を遮ってくれる山中のほうがマシ!助けて~!とないものねだり。

麓を見下ろしてみる

外国人巡礼者からはこうゆう日本独特の里山風景がエキゾチックで魅力的に見えるんだろうなあ、と思いつつ、こちらは暑すぎて頭クラクラしてきてそれどころじゃない。

そう、令和になりました

スタートから3.7km地点の『高原熊野神社』

スタートから約2時間後の10:45頃、朦朧としつつも『高原熊野神社』に参拝して、スタンプを獲得。お願い、早く水をください。

誰もいない

巡礼1日目のランチ休憩場所として目星をつけておいたお宿『霧の里 たかはら』にもなかなか到着しません。本当に暑いし、私達以外に地元民も参拝者も人っ子一人歩いていない。つらい。泣きたい。

『霧の里 たかはら』

11時頃、砂漠のオアシスならぬ、絶景の超人気宿『霧の里 たかはら』に到着!

お水を!ください!

ウェルカムドリンク

「こんにちは!」と息も絶え絶えに引き戸を開けると、エントランスに冷たそうなウェルカムドリンクを発見。

み、みずがあるー!

「お願いですだ、1杯飲ませてくだせえ…」と日本昔ばなし風にお願いしようとしてしまいそうなところに、宿のスタッフのお姉さん(美人!)が「まあまあ、滝尻王子から?こんな暑い中、大変だったでしょう。お顔が真っ赤!お食事ですよね?どこでも好きなところに座ってください、さあ帽子も手袋も脱いで全部脱いで。お水持ってきますからね!」

今、山の神の声が聞こえたのかな?

私とエリー、リュックを下ろして崩れるように椅子に座りこみ、帽子や手袋、ジャケットなどとにかく全部剥ぎ取ったところに、神様…じゃなくて、宿のお姉さんがグラスたっぷり注がれた、キンキンに冷えたお水を持ってきてくださいました。生き返る〜

このエリーの傾きを見てください(笑)

疲れすぎて、まっすぐ座ってられないエリー。私も同じくらい、いやもっと傾いてました。

エリーは日替わりランチ、私はキーマカレー。どちらも税込1000円。

約15分後には、美味しそうなランチを前にちょっとだけ元気回復!

アイスティーもたっぷりサイズ!

美味しいランチをいただいて、アイスティーもたっぷり飲んで落ち着いたところで、そろそろ12時。今夜予約してある民宿のオーナーさんには「16:30頃到着予定」と連絡しておいたけれど、このペースだと絶対無理。だって想定外の時速2kmペースだもの。「今夜予約している者ですが、到着が遅れるのでお電話しました」

「はーい、大丈夫です。今どこ?高原の霧の里たかはらさん?ああ、あそこね。そうだな、そのペースだとそこから6時間くらいかな?歩くの早い外人さんだと4時間くらいで来ちゃうけど。あなたたち、登山かトレッキング経験はある?スペイン巡礼してきたの?それなら大丈夫そうだね!もし、どうしても歩けなかったら、ひとつ手前の『近露(ちかつゆ)』に着いたら連絡して。迎えに行くから〜」

熊野古道巡礼、いい人しかいない説。

えっと、さっきあと6時間と聞こえたんだけど、ここからさらに炎天下の中、山道を6時間?今までの苦しさ×3?ちょっとよくわからない。考えないことにする。

ちなみにステマでもなくて勝手に『霧の里 たかはら』の説明をさせていただきますと…

標高320mの絶景のロケーションに位置し、天空の宿として有名で、熊野古道参拝をしなくてもこのお宿に宿泊して絶景とお料理を楽しみに来る宿泊客が後を絶たない人気宿。

海外経験豊富で語学堪能のオーナーさんがいらっしゃることもあって、日本人客だけではなく、海外からの宿泊客にも大人気らしいです。この日も、フロント前にはたくさんのスーツケースやバックパックが届いていました。

熊野古道(中辺路)巡礼をすることに決めて色々調べていた時にこの宿の存在を知って、調べれば調べるほどレビューが良すぎて「ここに泊まりたい!」と思いましたが、今回の私達のように1泊2日で滝尻王子から熊野本宮大社までゴールする場合だと、ここに宿泊するのが難しいことと、そもそも直前では空室が全くなかったので今回は諦めました。次回、チャンスがあれば泊まりたい!

『霧の里 たかはら』公式ウェブサイト

レストランスペース

エントランス&フロント

エントランスとレストランスペース。写真右奥が大きな窓になっており、外にはテラス席がありました

トイレを借りてから、スタッフのお姉さんのご好意で水筒にお水を補充してもらいました。

また灼熱地獄へ出発するために私がmont-bellジャケットを着ようとしているのを見て、奥から出てきたもう一人のお姉さんと2人揃って「それ着ると熱がこもって熱中症になっちゃいますよ!着ないほうがいいですよ〜」と言われてしまいました。

「そうなんです、死ぬほど暑いんですけど、これ着ないと全身真っ黒でスズメバチとかアブとか寄ってきて怖いので」と返事したら「大丈夫!刺された人の話聞かないし、近づいてきたら何かでバシッと追い払えばいいのよ!」美人かつ豪快。

ということで、お姉さんたちを信じて、GORE-TEXジャケットは畳んでリュックにしまいこんで出発しました。涼しい。

宿から熊野古道巡礼路に戻ったところで、登山の格好をした日本人中年男性とばったり。彼は養蜂家が被っていそうなネットを頭から被っています。え!スズメバチ対策?そんなにやばいの?軽く挨拶をして通りすぎました。今回初めて、熊野古道で他の巡礼者に会いました。

写真では伝わらない傾斜シリーズ

標識に沿って巡礼路を歩いていくと、いきなり結構急な上り坂〜!石畳の上り坂を、エリーを先頭に無言で上がりました。さっきのランチとアイスティー効果は既になくなりました。冷たいもの飲みたい。

暫く歩いたところで、なにやら看板が立っています。

『古道散策のみなさまへ ここより近露王子までは民家がなく、連絡の方法がありません。所要時間は約四時間ですので、出発にはお気をつけ下さい。』

次の民家エリアまで、約4時間。連絡の方法がありません。

はい、了解しました!

って、うそー!スペイン巡礼でも17km何もない1本道があったけれど、こちらは山の中。どうなることやら。とにかく進むしかない。民宿オーナーさんも待っててくれるし。(なんなら、手前の集落まで迎えに来てくださるともおっしゃってるし!)

石畳を上ったり

明らかに上れてなかったり(ふざけてないです、真剣です)

あまり舗装されてないような道を上ったり

美しい池を眺めたり

『大門王子』

13:02 『高原熊野神社』から1.8km先の『大門王子』に到着。ここでもスタンプを押しました。

ちょっと気を抜くと落ちそうな道も通ったり

『十丈王子跡』

スタートからまだ7km

13:30 『十丈王子』到着。まだスタートから7km付近。本日のゴールの半分にもいってません。このあたりが一番きつかったかも。戻るにも戻れず、進むしかない状態。あとからここでクレデンシャルに押したスタンプを見たら、逆向きだわ、ちゃんとインクがついてないわ…相当やばい状況だったんだな、と。

かなり狭い道

台風などで木々がなぎ倒されて、崖崩れしている場所もありました。

上記写真の右斜面もかなり急!

落ちたら大変!ということで、慎重に歩を進めます。

道はあるのかな?

ひたすら上っていきます

上り続けたと思ったら、今度は下りもありました

下り坂&階段を下りている時、疲れて足腰が弱ってヘロヘロになった私はちょっとぬかるんだ泥に足を持っていかれ、滑って尻もちつきました。ぎゃー!という叫び声に、先を歩いていたエリーがビックリして振り返ります。リュックがあったおかげで後頭部を打たずに済んでよかった。生きて帰りたい。

『大坂本王子跡』

14:58 『大坂本王子跡』に到着。

小川が流れています

この直後、小川にかかる小さな橋の上で写真撮影し合っていたら、勢いよく下がったエリーが橋の横の草むら斜面に足を取られ、ギリギリ持ちこたえましたが危なかったです。お互い若くないから、色々気をつけましょうね(笑)

さらに鬱蒼と木々が生い茂る山道を歩いていたら、何やら音が聞こえてきました。「あ、車の走る音がする!見えないけど聞こえる!Civilizationの音だよ!」 

文明の音が聞こえるほう(車道)に向かって、ついつい早足になります。そして15:17、ついに車道発見!道の駅発見!

『牛馬童子口バス停』前

道の駅

お座敷に上がって、アイスティー350円

勝手にもう少し大規模な施設を想像していましたが、実際はこじんまりと、地元名産品のお土産やペットボトル飲料を販売している道の駅でした。クーラーはありません。小川に向かって開け放たれた窓から入る、生ぬるい空気にさらされながら、お座敷スペースで休憩しました。

重い登山靴を脱いで座って冷たいアイスティーを飲める幸せ。もうこのままここで座っていたい。

このままずっとここに座っていたかったけれど、ずっと地図を見ていたエリーから「ねえ、そろそろ出発しないと宿に到着できないよ~!行くよ!」とオンマ(お母さん)モード発動されて、しぶしぶ準備しました。私一人だったらいつまでここに座っていたんだろう。いや、ここじゃなくてかなり前の時点で諦めて帰っているかも。

15:50すぎ、トイレに行ってから出発。車道を渡ってまた山の中に戻り、車道を歩き『牛馬童子像』を目指しました。

牛馬童子像まであと500m

エリーが元気すぎる

16:11 『牛馬童子像』に到着。もちろんクレデンシャルにスタンプを押しました。

解説

想像していたよりも小さくて、可愛い牛馬童子像

標識によると次の『近露王子』は『牛馬童子像』から0.5km先。もう、目の前(のはず)です。

石畳の道を下り

集落が見えてきました!

草が生い茂る中、果敢に進んでいくエリー

写真撮っているとすぐ置いていかれちゃう

集落というのは、見えてからが遠いものです。よーく知っています。でも、なかなか到着しない辛さ。

スタスタ

近露集落に向かいます

16:30、『近露王子』に到着して、スタンプを獲得。風が強くて帽子が飛ばされそうになったのを覚えています。この王子付近にも誰もいません。

『近露王子』

1泊2日で滝尻王子から熊野本宮大社まで歩くコースでは、ここ『近露』エリアか、さらに山道を上った先にある『野中(のなか)』エリアに宿泊することが推奨されています。野中エリアはただでさえ宿泊施設が少ないので予約が取りにくいのですが(1宿につき1組限定とか)、2日目の歩行距離を少しでも減らしたかった私達は、野中エリアでの宿泊を希望しました。

通常1年〜半年前から宿を予約する参拝者が多い中、私達は思いついた時から出発まで2週間を切っていました。なんとかしなければ!言い出しっぺの私がひたすら宿に電話をかけ続けて、キャンセル待ちで空きが出て今夜の宿『農家民宿さーどぷれいす熊野古道』を確保できました。(オーナーてっさん、その節はありがとうございました!)

野中エリアに向けて進みます

さすが都内OL、コンクリートの平坦な道は大得意。猛スピードで歩いていってしまう

疲れすぎてダラダラ歩く私は、近露エリアを通過する間にエリーからどんどん離されていきます。

また山の中に入っていきます

こうやって写真で見ると真っ暗ですね。

ついにエリーの後ろ姿が見えなくなりました

スペイン巡礼の時もそうでしたが、目的地(宿)は事前にシェアしているため、道中は自分のペースで歩き、途中で離れ離れになっても気にしません。「じゃあ、またあとでねー!」と声を交わして、暫しのお別れ。

ずっと見ていた標識

山道を上りきって、少し開けた場所に出たらベンチがありました。座ること以外、考えられない。

ずっと見ていた足元

車道脇の小さなベンチで休憩(終わりの見えない休憩)

わかってるんです、目の前のこの坂道を上っていけばいいことは。わかってるんですけど、立ち上がれないんです。何度自分を鼓舞しても、疲れすぎた体は言うことを聞かず、あと1分、あと1分経ったら立ち上がって歩こう…と自分で決めたことも守れず、ただ時間が経過していきます。

ああ、この感じ。スペイン巡礼初日のピレネー山脈越えの途中で味わった感情と一緒。違いとしては、今ここは日本で、ネットに繋がったスマホがあって、言葉が通じること。この写真ではたいしたことない坂道に見えますが、実際の斜度はかなりのものです。この時の私にとっては壁が立ちはだかっているように思えました。

「民宿オーナーさんがおっしゃっていた通り、無理せずに、手前の近露エリアで電話をかけて迎えにきてもらったほうがよかったかも。今からでも電話すれば迎えに来てもらえるかな?地元の方だから、この場所を説明すればわかってもらえるかな?ところで、エリーはどこを歩いているだろうか?かなり時間が経過したから、あのペースだと、もう宿に到着したかも」ベンチに座ったまま、考えがぐるぐる。

どのくらい時間が経過したかわかりません。だんだん風が強くなって、日も落ちかけてきたような気がします。全然車も通らないし、ずっとここにいても誰かが助けに来てくれるわけでもありません。

近露エリアまで坂を下るか、もう少し上って野中エリアの宿を探すか。今夜のお宿は、そう遠くないはず!最後の力を振り絞って立ち上がり、ものすごく小さな歩幅で坂道を上り始めました。

全然進まない(笑)

歩いてるはずなのに、歩幅が小さすぎるからか全然進んでない。景色が変わってない。顔を上げて先を見てみても、ずっと上り坂が続いていることしかわかりません。ああ、絶望。

今日何度目かわからないけど、一番大きな絶望を感じていたところに、坂の上のほうから白い乗用車がゆっくりと走ってきました。狭い車道なので轢かれないように立ち止まってなるべく端っこに寄って車が通り過ぎるのを待っていると、乗用車が徐行してきます。なに?事件発生しちゃう?拉致?誘拐?まさか熊野古道で?

と一瞬焦ったものの、運転手は今夜の民宿のオーナーさんでした(笑)

「〇〇(名字)さんですよね?あーよかった!もうすぐ暗くなっちゃうけど2人とも到着しないから心配になって迎えに来たんですよ〜。あれ?1人なの?」ああ、助かった。ありがたすぎて涙出そう。あれ?エリーはまだ到着していない?どこ行っちゃったんだろう?今度は別の心配が出てきました。

民宿オーナーさんの車に乗せてもらい、エリーを探しに行くことに。今夜のお宿は私が立ち往生していた坂道を上りきってすぐ先を、熊野古道巡礼路から左に曲がった場所にありました。ああ、あとちょっと歩けばお宿に到着していたのね。エリーはおそらく左に曲がらずにそのまま熊野古道を歩いていったんだろうというオーナーさんの予想。

宿に寄らずに、エリーを探しに行くことになりました。エリーに電話してみても、呼び出し音が鳴り続けるばかりで電話に出ません。(歩いてるとスマホに気づかないことが多いので、これはしょうがない)

少し走った先の民家の軒先で日向ぼっこしているおばあちゃん発見。オーナーさんの顔見知りだそうで車の窓を明けて「おばーちゃーん!いつからここに座ってる?結構前から?そう。少し前に、リュック背負った日本人女性がこの道通っていかなかった?見なかった?」と聞き込み調査。ちょっと耳の遠そうなおばあちゃんの証言は「ずっとここに座っているけど、誰も通ってない」とのこと。エリー消えた?笑

「ま、たぶんこの先を歩いてると思うからもう少し行ってみようか」ということで、車を走らせること数分。エリー、足速いなあ。『比曽原王子』や『継桜王子』を過ぎた先の車道横を歩いているエリー発見。熊野古道OL失踪事件は未遂に終わりました。

そっとエリーのそばに近寄り、窓を明けて声をかけて一緒に車に乗って宿まで連れて行ってもらいました。これでリュックをおろして休憩できる!

『農家民宿さーどぷれいす熊野古道』公式ウェブサイト

今夜のお宿!『農家民宿さーどぷれいす熊野古道』(もう暗かったので、写真は翌朝撮影したものです)

私達が宿泊したのは別館

今回私達が宿泊したのは、2つある古民家のうち別館のほうでした。本館は翌朝少し中をのぞかせてもらいましたがオーナーさんもおっしゃってた通り「これは外国人ウケするだろうなあ」という、綺麗な古民家でした。大人気の宿で、1年前からから予約される方も多いそうなのでなかなか空いてないかもしれませんが、気になるからはまず空室確認からどうぞ!

お布団も清潔でふかふか!

古民家を綺麗にリノベーションしてあります

キッチン。完全に自炊できるように家電製品、調理器具や食器、基本的な調味料は取り揃えてありました。

無料サービスのコーヒーや紅茶。日本茶用の急須に湯呑みセットもありました!

ホスピタリティ溢れすぎるオーナーの「てっさん」から、各種説明や注意事項を告げられて、まずはお風呂に入ることにしました。なんと、ひのき風呂!アメニティは、バスタオル/フェイスタオル/ドライヤー/シャンプー/リンス/ボディソープ。スペイン巡礼の巡礼宿に比べたら贅沢すぎます。(比べるところじゃない)

私達は自炊する気力はないとわかっていたので、1泊2食付プラン(7,300円)を申し込んでいました。「夕食は地元食材を使った日替わり田舎弁当となります」と書いてあったので、プラスチック容器に入った、冷たくてそんなに美味しくないお弁当が出てくるんだろうなあ(失礼)と思っていたら、なんと!

オーナーさんが古民家キッチン裏口から登場して持ってきてくださったのは、彩りよく盛り付けられた豪華な松花堂弁当でした。地元の野菜がふんだんに使用された揚げ物、煮物、炒めものに炊き込みご飯。お弁当とは別に、オーナーさんが家庭菜園で育てたお野菜で作った副菜も数種類、綺麗な和食器に盛り付けられており、さらに片手鍋に入った手作りのお味噌汁(何杯分あるんだろう?)のサービスまで。

興奮して感謝しまくる私達を残して、「じゃあ、明日は朝7時頃に迎えに来ますので〜」と颯爽と消えるオーナーさん。

天ぷら美味しかった!

日本茶も入れて、ザ和風な食卓

どのお料理も美味しくて、2人共ぺろりと完食。お弁当の器やお茶碗などを軽く洗った後は、隣の小さなリビングルームで歯磨きしながらテレビ鑑賞。「世界ふしぎ発見!」や「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」などを観ながらまったり。

こんなにのんびりできて、私達、今どこにいるんだろう。今日1日、山道の中を泣きそうになりながら歩いてきたことなんて全て忘れる勢い。「明日は7時にオーナーさんに迎えに来てもらうから、6:40までに起きればいいよね?お化粧の時間要らないし」なんて会話をしながら、ひたすらダラダラ。

軽くパッキングをして荷物をまとめて、お布団を敷いてゴロゴロ。先に寝床に入った私はスマホでネットサーフィンしていたら(そうそう、ここの宿のWi-Fiがびっくりするくらい爆速なんです!)いつの間にか寝てたみたいです。アラームかけ忘れてる…

こうして熊野古道巡礼、1日目終了!一応、なんとか生きてます。命がけの熊野古道女子2人旅の記録、3日目(巡礼2日目)に続きます。

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