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【スペイン巡礼35日目】スペイン最西端2ヶ所の「地の果て」の岬を訪れた日。巡礼を完全に終えた今、「平成最後の駆け込みスペイン巡礼」で私が得たものはなんだったのか?その問いに答えを出そうと思う。

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Santiago de Compostela(サンティアゴ・デ・コンポステーラ)〜Fisterra(フィステラ)〜Muxia(ムシア)〜Fisterra(フィステラ)〜Santiago de Compostela(サンティアゴ・デ・コンポステーラ)※一部、長距離バス&タクシー利用

アラームをかけ忘れたけれど、起きたら7:15。本当に久しぶりに、起きても1人。さて、今日はどうしようか。起き上がり、ベッドに腰かけてみる。二段ベッドの下段だったら、頭を打たないように顔を上段から出して前傾姿勢となるし(イメージできる?)、上段だとそもそもベッドの端に腰掛けられないし(笑)普通に座れる幸せ。

壁につかまり、ベッドからおそるおそる立ち上がり、足首の様子を確認する。そっと足を踏み出してみる。ズキン!とやっぱり左足首は痛むけど、鎮痛剤のおかげで昨日よりは少しはマシかも。右足のかかとを支点にワイパーのように左右に動かしながらすり足で(←痛みを最小限にするために編み出した移動法。あまり見せたくない笑)、その反動で進みながらトイレに行く。もうきついスポーツタイツは履かなくていい!

トイレで考える。フィステラに行くべきか、行かぬべきか。

スペイン最西端にある岬フィステラは地の果て(fin de la tierra)という意味をもつ。中世ではガリシアのこの地が生と死の境目となる場所だと考えられていた。昔の巡礼者は、巡礼の締めくくりとしてこの地を訪れ、海で身を清め、身につけていた衣類を燃やし、西の果てに沈む太陽を眺めて、古い自分に別れを告げたらしい。(最近では、ここで衣類を燃やすのは禁止されているとか?)

フィステラ行きのバスは確か、Monbusでサンティアゴのバスターミナルから8:00、9:00、10:00頃に出発する便があったはず。昨日調べたら、レビューがどれも最低。時刻通りに出発しない、とか、運転手の態度が悪すぎる、とか(笑)でもホテルは今日チェックアウトだし、帰国日まであと10日間、このままサンティアゴでボーッと過ごすのはもったいない。目指すは地の果てフィステラか、美食の国ポルトガルか。

ここまで来たら、やっぱり巡礼0km地点のあるフィステラの岬から海が見たい。天気予報ではフィステラは雨のようだけど、それでも行ってみたい。とりあえず9時発の便を目指して、もし乗れなかったら10時発でもいいか、くらいのゆるいプランでパッキングする。何が起こるかわからないから、深くは考えずに成り行きにまかせよう。巡礼証明書の筒しか荷物は増えてないのに、なぜかバックパックのファスナーが閉まらない。

外は小雨。チェックアウトして8:15頃、出発。思った以上に雨が降っていて寒い。ホテルから出て大聖堂とは反対側の郵便局に向かい、絵ハガキを投函。バックパックにレインカバーをかける。

ここからバスターミナルま徒歩25分。ケガしてなければ余裕で歩く距離だけど、今日はタクシーにしておこう。雨で人通りの少ない大聖堂前の広場を抜けて、タクシー乗り場へ。バスターミナルへはあっという間に到着した。4€。

バスターミナル

いくつかバス会社の窓口があるけど、この時間帯の有人カウンターは1ヶ所だけ。フィステラに行きたいんですけど、、、と窓口のお姉さんに伝えると「9時!!!片道!?往復!?往復なら帰りのバスは好きな時間のバス!往復なら18.75€!!!乗り場は下!」朝早くてご機嫌ななめだったのか、常にこうゆう話し方なのか、すごい大声で畳み掛けるように早口で説明された。両替したいと思って50€札を出したら「Whaaaat!? 50€?!?!?!?!おつりない!無理!」50€札の両替は諦め、おとなしく20€札で無事に往復チケット購入。

バスターミナル内のカフェで朝食

乗車まで20分くらい時間があったから、チケット売り場目の前のカフェで、コーヒー、オレンジジュース、クロワッサンの朝食セット3.7€。ここで50€札を出す迷惑な客。さっきの窓口とは違って非常に愛想のいい男性スタッフが嫌な顔せずに50€札を受け取ってくれた。

え!ドイツ人おじさんコンビ!

朝食を終えて8:50頃にエスカレーターで地下に降り、さらにエスカレーターを乗り継ぐ。記念に写真を、、、と思ったら、前からエスカレーターで上がって来たのは、一昨日、ゴール直後に大聖堂前で再会したドイツ人おじさんコンビ。彼らはこれからマドリッド経由でドイツに帰るところらしい。またまた、すごい偶然。

悪評高いMONBUS

数台バスが停車しているので、バスのフロントガラス上の電光掲示版を確認するけど、該当のバスは見当たらない。日本と違うから出発時間の直前に入ってくるんだろう。同じくフィステラに向かいそうな、バックパックを背負った巡礼者がたくさん集まってるあたり、たぶんあそこだろう。

そこへ1台のバスが入ってきた。バスの電光掲示版には何も表示されていない。これ?これがフィステラ行き?大きなバックパックに貝殻をつけたみんなでソワソワ。バスから降りてきたドライバーに、これはフィステラ行きですか?と皆が次々と質問するのに、なぜかめんどくさがって答えないドライバー。ねえねえ、教えて(笑)「大きなバックパックはバスの下の収納スペースに!早く!早く!」と行き先を教えてくれないドライバーからなぜか急かされる我々。

いや、行き先わかんないバスに荷物積みたくない(笑)「すみません、 これはフィステラ行きかしら?」「そうだと思います、、、私もよくわかんないけど!」みたいな伝言ゲームが各所で行われて、確信はないのにとりあえずバックパックを積み込み、バスに並ぶ我々。

我先に

そこにようやく親切そうな関係者が現れて「おいおい、バスの掲示版のスイッチ入ってないよ、入れなきゃだめだろ〜」とバスドライバーに指摘し、掲示板の表示を見たらフィステラ行きのバスでした。みんな我先に!と乗り込んだものの、巨大なバスのため急ぐ必要は全くなかった(笑)ほんとなんだったんだろ、あの茶番劇。

バスに乗車する際、伸ばしたままのストックを縮めないと乗車させない!とバスドライバーから注意され、慌てて縮めようとしたのがよくなかった。変に力が加わったのか、1ヶ月以上ハードに使われた負荷に耐えられなかったのか、片方のストックが折れて2つのパーツに分解されたまま戻らなくなってしまった、、、義理の兄からの借り物、、、とりあえず、折れたストックを掴んでバスに乗り込んだ。バスは比較的新しい車体で、車内Wi-Fiはないけどシートふかふかで快適。

9時3分、定時より少し遅れて出発。雨のサンティアゴ市内を抜けて、バスはぐんぐんスピードを上げて進んでいく。バスは早いねぇ。バスが西へと進むにつれて、雨がますますひどくなる。天気予報ではサンティアゴもフィステラも雨マークだから諦めていた。雨でもフィステラがどんなところなのか、その街並みだけでも見れればいいな、という想いで今、フィステラに向かっている。

バスの窓ガラスをつたって流れる水量がどんどん増えて、車窓からの景色がよく見えないほどに。エリー達は今頃どこを歩いてるだろう。汗ばむポンチョを着込んで、顔を、前髪を濡らして、うつむきながら歩いてるだろうか。雨の中、重いバックパックを背負ってポンチョを着て歩く辛さは痛いほどわかっている。靴の中に雨水が浸水した時の気持ち悪さもわかっている。どうか、どうか、みんなが歩いている巡礼路の雨が弱まりますように。早く晴れますように。細い山道を猛スピードで駆け抜けるバスの中から、そっと祈った。

進行方向左側のシートを選んだので、すぐに海が見えてきた。サンティアゴまでの約800kmにおよぶ巡礼路は常に内陸部を歩いていたので、今回初めて見るスペインの海。非常に不思議な気分。空は雲が厚く、景色全体がグレーがかっており、まるで冬の日本海のような景色に見える。家はカラフルなんだけれど。

何ヶ所か、途中の村でバスは停車し、フィステラに近づくにつれて停車頻度が高くなる。観光客用の長距離バスだと思っていたが、だんだんと地元客のちょい乗りが増えてくる。

あれ?雨が止んだ?遠くの空に、雲の切れ目が見える。お願い!晴れじゃなくてもいいから雨はイヤ。願いが通じたのか、フィステラに到着する少し前から曇り空に変わった。

折返しのバスに乗車しようとする人達

11:45、フィステラのバス停に到着。このバスで折り返し、サンティアゴに帰ろうとする乗客30人以上がバス停で待っていた。

この時は今夜フィステラで1泊しようと思っていた。数日前にジニーのアンドロイドスマホのカミーノアプリ(iOSのアプリは、フィステラルートは有料360円!アンドロイドアプリは同じものが無料!)で調べておいたレビューの良いアルベルゲへ行ってみよう。アプリの情報では13時チェックイン開始とあったけど、もしかしたらその情報が古くて13時まで待たずにチェックインできる可能性があるかも。左足が痛くて、フィステラに行く時に重いバックパックは宿に置いておきたいと思ったから。

バス停から徒歩5分、ここもやはり上り坂、、、アルベルゲに到着したら掃除中のお姉さんが奥から出てきて「チェックインは13時!後から来て!」

カフェ・コン・レチェとチュロス

13時まで待つにしてもこのアルベルゲ周囲にはバルが全くないから、またバス停前に戻ってバルで時間を潰した。

13時になってアルベルゲに戻ると、ドアは開いているのに誰もいない。奥の方まで入っていって声をかけるとおじさんが出てきて「今日、火曜日じゃん?今日はアルベルゲ中の大掃除なの!だから泊まれないよ。また明日来てね!」

な、なんと、、、明日来てねって、、、でも、しょうがない、こうゆうこともある。他にもアルベルゲの選択肢はたくさんあるから歩道の端っこに立ってスマホでググってみるけど、どこのアルベルゲがいいか判断がつかない。今までは相談相手(主にジニー)がいたからすぐに決められた。いま私は1人、アルベルゲだって自分で決めなきゃいけないんだ(巡礼以外はいつも1人で決めていたのに笑)。

予約ボタンが押せずにどうしようかなと考えていたら、目の前に見覚えてのある男性が、、、いつかのファンタ野郎!Castrojerizのバルで見かけたのが最後、あれ以来会わなかったのに、まさかここで、こんな細道で出逢うなんて!向こうから話しかけてきたのに、会話が噛み合わずに微妙な空気が流れた(笑)初日の泣きそうなピレネー山脈超えの時になけなしの貴重な水を要求してきた頃から全く変わらないコミ症ぷり。人って簡単には変わらないものですね。

それは置いといて、今後のスケジュールを考えなきゃ。明日サンティアゴから長距離バスでポルトガルの北の都市ポルトに移動したい。以下、私が考えていたこと。

今夜ここフィステラ(スペイン北西部の端の端!)に泊まり、明日の午前中早めのバスでサンティアゴに戻るか、今夜の最終便19時のバスでサンティアゴに戻るか。今13時過ぎで、フィニステラの岬はここから片道3.8㎞。Google Mapによると片道45分。私が足をひきづって行ったとして、多めに見積もっても1時間ちょい。フィステラの岬で少し休憩したとしても16時頃にはこのバス停付近に戻ってきてしまう。そこからバスの発車する19時まで、この何もない(ように見える)港町で何すればいい?

じゃあ、もう一つの地の果てMuxia(ムシア)にも行く?ムシアはここから約30㎞離れた村。ムシアにも巡礼0㎞のモホン(石の標識)がある。ムシアへのアクセスは、途中の村Ceeまでバス&その後タクシーか、フィステラからタクシー。バスを利用せずタクシーで行けば片道30分弱。時間的にはいける。

バス停前のお土産物屋さんのお姉さんに聞いたら、そのCee行きのバスは夏シーズンしか運行してないとのこと。じゃあ、タクシー乗るしかない!と心が決まった頃には、バスが到着した頃には数台待機していたタクシー乗り場には1台もタクシーがいない。完全に出遅れた。ミスった。アルベルゲのチェックイン待ちバルでお茶してる場合じゃなかった。しかも(泊まる予定だった)アルベルゲのトイレに行けばいいや、と思ってバルでトイレに行かなかった。ばかばかばか。

こうなったら予定変更。まずフィステラの岬まで坂道を上って向かおう。そしてここに戻ってきた時にタクシーがあればムシアへ。タクシーがなかったら、ムシアには行かない。それでいい。折れたストック1本を突っ込んだバックパックを背負って、入りきらない荷物を入れた小さなバックパックを前にかけたバックパッカースタイル。残りのストック1本を支えに岬を目指し始めた。

バス停目の前の景色

どんよりとしているが雨があがっただけでもありがたい

また巡礼路を歩ける幸せ。昨夜お風呂でガイドブックを読みながら、他の巡礼者の巡礼日記ブログを読みながら、またいつか黄色の矢印に導かれ、モホンのある道を歩きたいと思っていた。だから、なんだか嬉しくなってきちゃった!骨折してるけども!笑

車道と崖の間の歩道を上っていく

まだまだ上る

途中、微妙な巡礼者の銅像もあった

前からみるとこんな感じ

まだ岬は見えない

鎮痛剤を飲んではいるものの、左足はまだかなり痛い。海を横目に見ながら一歩ずつ進む。港から住宅地を抜けるあたりは急な上り坂が続き、結構きつかった。住宅地が途切れたら、あとは山道が続く。

左側は大西洋。港を出発した頃はまだどんよりしてグレーがかった空だったが、知らないうちに雲が減り青空が見えている。日差しが強くなってきた。ラッキー!こんなにいいお天気の中、地の果ての岬に行ける!

ずっと上り坂だけど、足首的にはまだ上り坂のほうがありがたい。車道と崖の間の細い、草が生えた歩道を同じバスに乗って岬から戻ってきた人達とすれ違う。途中ですれ違ったイギリス人のおじさま、初めて会う巡礼者だったけれど、挨拶をきっかけに立ち止まって会話がはずんだ。彼は友人と2人で、サリアから巡礼をスタートしたらしい。私がフランスのサンジャン・ピエ・ド・ポーから巡礼をスタートしたことをすごく褒めてくれた。そして、さっき見てきた岬からの光景があまりにも美しくて、その感動をどうしても伝えたいと言い出し「岬はもう本当に素晴らしかった!あまりにも素晴らしくて、どうしてももう少し長く眺めていたくて友人には先に戻ってもらったんだよ!君はこれから見に行くんだよね?ぜひ思う存分、楽しんで!忘れられない思い出になるはずだよ!」と熱く語られた。期待が膨らむ。

道端に咲き誇る黄色のお花が綺麗。海側から吹き付ける風は強くなってきたけれど、それさえも気持ちよく感じる。微妙な巡礼者像の脇を抜けて、さらに上に、上に。早く行きたい気持ちに足がついていかなくて悔しい。巡礼路沿いにひっそりと立つモホン(標識)が表示する残りの距離がどんどん0に近づいていく。

地の果ての十字架

坂を上り切ると、駐車場に車がたくさん停まっている。そうか、ここも鉄の十字架と同じで普通は車で来るんだね(笑)その駐車場を越えた左手に、ついに、ついに、十字架が見えてきた!そのすぐ横にお土産屋さん。よかった、清潔そうなトイレもある!(尿意を我慢して坂を上ってきた)

私のiPhoneでは全く表現できない、たっぷりと深い青色の海!

フィステラのポストカードでよく見る構図

0km

ストックは1本、、、

実はすぐ目の前に新しめのホテルやレストランがあるんです(笑)

お土産屋さんの目の前の舗装された道を進むと、右手側の崖下に、深い深い青色の海!綺麗!なんと表現したらいいかわからない、ずっと見ていても飽きない景色が広がっている。

さらに道なりに進むとその先に、、、!あれ?新しいレストランやホテルがある(笑)絵ハガキでよく見る情緒的な光景のすぐ横にこんな現代的な建物があるなんて。

気を取り直して、ついに0.000㎞モホンとご対面。来ちゃった。風が強いけど、ここに来れたことが嬉しくて髪がぐちゃぐちゃになることも気にせず、少し大きめの石に座って海を眺め続けた。お土産屋さん裏のトイレに行って、来た道を戻る。

あ!0kmのモホンで満足して、その先の岩場(昔はここで巡礼時に着ていた服などを燃やした場所)まで降りるの忘れちゃった!どうも私はツメが甘い。

下り坂は、こわい。上り坂ではまだそこまで痛みを感じなくて済んだけど、下り坂ではそうはいかない。ズキズキと左足が痛む。悲しいくらいのゆっくりペースで下りていく。

岬を目指して次々と上ってくる巡礼者達のほとんどはアルベルゲに荷物を置いてきたのか、ほぼ手ぶらだった。「岬はね、本当に素晴らしかったんだよ!早く自分の目で見てほしい!」と見ず知らずの巡礼者達に話しかけたい気持ちを抑えて(往路で出逢ったイギリス人おじさまの気持ちが今すごくわかる。 誰かに伝えたくてしょうがないほどの素晴らしさなんだもの!)ブエンカミーノ。

フィステラの村が見えてきた

やっとのことで村の住宅地エリアまで戻り(住宅地を抜ける下り坂が、これがまたきつかった!)、港を通りタクシー乗り場に戻って来たら、、、1台のメルセデスベンツタクシーが待機している!現在、まだ16時前。よし、ムシアも行っちゃおう!と思ったら、なんとタクシーのすぐ近くをふらふら歩いてきたのはアメリカ人マーク。びっくり!ここでまた再会するなんて。タクシーを他の人に取られないか、気もそぞろな中、短く会話を交わしてバイバイ。

タクシーに乗り込みムシアに向かう。フィステラ⇆ムシア間は定額で、片道30€と決まっているらしい。骨折した私を乗せたタクシーは、コンクリートで綺麗に舗装された道路をスピードあげて走っていく。車窓からは鬱蒼とした森や、ガリシア地方特有の高床式穀物庫もたくさん見えた。乗り心地、最高。

東映映画のオープニングを彷彿とさせるムシアの海

30分もしないうちに、16時すぎにムシアの海岸に到着した。タクシーを降りる時、そして降りてから、左足首の痛みがやばいくらいに増してきて、もうだめかも、、、立てない。でもタクシーを長く待たせるわけにもいかず、なんとかタクシーから降りて、後部シートからバックパックをひきずり出してドアを閉め、すぐ横のコンクリートの塀に座り込んでしまった。

そこから50mほど先、階段を降りてゴツゴツした岩場の先には、東映映画のオープニングさながらの真っ白な水しぶきが!ダイナミックすぎる。昔の巡礼者達は、命をかけてここまで歩き、この海を見て、何を思ったのだろうか

岩場は一部海水で濡れているし、滑って転ぶと危なそう。少し離れたここから眺めるだけにするか、できるだけ海の近くまで行ってみるか。ここまで来たんだから、どうしても近くに行きたい!

ゆっくり階段を降り、そろりそろりと岩場を進む。すごいすごいすごい。

モニュメントまで行くにはまた上り坂

ムシアを象徴するモニュメントとモホン

遠くに小さく見えるのが教会

東映映画オープニングの海を背に岩場を戻り、階段を登り、教会横の丘を登っていくと、ムシアを象徴する巨大な石のモニュメントにたどりつく。このモニュメントの前にもフィステラの岬と同じ0,000㎞のモホン。

バスとタクシーを利用したけれど、地の果て2ヶ所制覇することができた。とにかく風が強くて髪の毛がぐちゃぐちゃ。今朝バスターミナルのカフェでクロワッサンを食べただけ。それ以降何も食べてないのでさすがにお腹がすいてきた。あ、フィステラのカフェで小さなチュロス食べたんだった。

この街で何か食べてからフィステラに戻ろう。巨大なモニュメントに別れを告げ、レストランを求めてムシアの街の中心部に向けて坂を下り始めたら雨が降ってきた。ギリギリセーフ。お日さまがちゃんと待っててくれたのかな。

ムシアの街並み

バゲッド

店員さんオススメの豚肉料理とTinto de Verano

おっと、やばい!すでに16:45。昼間の営業を終えてしまったレストランがちらほら。レビューが良くて興味があったレストランは残念ながら営業していなかった。まだ営業中で他にお客さんが入っているレストランを発見。覗いてみたら、中から愛想のいい店員さんが招き入れてくれたのでここに決めた。

Tinto de Veranoで乾杯。店員さんオススメの豚肉料理をオーダー。想像とは全く違ったお料理だったけれど、甘辛くて美味しかったのでよかった。近くにタクシー乗り場はあるけど、待機しているタクシーもないし、流しのタクシーも見かけない。さきほどの店員さんに尋ねたら、このレストラン前までタクシーを呼んでくれるとのこと。

食事を楽しみ、トイレに行って、17:35頃ムシアを出発。行きと同じ道でフィステラに戻った。料金は定額(片道30€!往復60€!割引料金なし!)はこれまでの巡礼に比べたら結構なインパクトのある金額だけど、出した価値はあったと思う。ムシアにも行けてよかった。Tinto de Veranoを飲んだせいか、疲れのせいか、タクシーの中で猛烈な睡魔に襲われた。

バス停前のバルにて

18時すぎ、バス停前でタクシーから下車。目の前のバルに入った。お客さんの帰ったテーブルが全然片付けられてなかったり、店員同士のおしゃべりがすごかったりいまいちなバルだけど、停車する長距離バスがよく見えるのでここで待つことに。カフェコンレチェ1.1€。良心的な価格。両親への絵ハガキを書き、バスが到着するのを待った。

18:50頃、バス停にバスが入ってきたのでバルを出てポストに投函し、ボーディングタイムを待つ。行きと同じサイズの巨大バス。バックパックをバス下の収納に入れて乗り込んだ。また海を見たいから、今度は右側のシートを選んだ。バスは猛スピードで細い山道を走り抜けていく。

ここで乗り換え

約1時間後、うとうとしてたら「隣のバスに乗り換えてー!」とドライバーからのアナウンス。やばい、こうやって数十分も座った状態から立ち上がる時の痛みがひどいの。ドライバーに心配されるレベルでよろよろ歩いてバスを降り、荷物を引っ張りだして小さなバスに積み替えて、バスに乗り込んだ。シートベルトがないけれど、乗り心地はまあまあ。

スマホに日記を書き始めたり、ひと足早く韓国に戻るためにマドリッドに移動したジニーや、エリーにLINEした。やはりエリー達は今日も雨でベタベタ、靴の中に雨水が浸水してひどい目にあったそう。一緒に歩いていたチョウは中敷きまで濡れた登山靴を諦め、なんとビーサンで山道を歩いたとのことで母親役のエリーが狼狽していた(笑)

ウトウトしていたら、だんだん車窓が暗くなり始めた。21:50頃、今朝出発したサンティアゴ・デ・コンポステーラのバスターミナルに到着。ムシアからフィステラに戻るタクシー内で急遽予約したホステルは、バスターミナルから徒歩10分。バスターミナル内にも、ターミナル周辺にも既に人影はなく、ホステルまでの道のりは街灯はあるけど、もちろん薄暗い。左足をひきづりながら、GoogleMapを頼りに歩き出したところ、雨が降ってきた。ぎゃー。そして、上り坂!下り坂!路上駐車の隙間から誰かがいきなり出てきそうでこわい。早足で(気持ちだけ笑)ホステルを目指した。巡礼の中で、この時が一番恐怖を感じた体験だったと思う。

15分ほどかかりながらも無事にホステルに到着し、チェックイン。ああ、こわかったー。部屋は4階。エレベーターの存在に気づかず、階段で上がってしまうという失態。お湯たっぷりの温水シャワーを楽しみ、下着を手洗いして、ベッドに潜り込んだ。

今日「地の果て」を2ヶ所巡り、私のスペイン巡礼は終わりを迎えた。巡礼路上にそこかしこにあった黄色矢印やモホンは、もうない。私達は黄色矢印なき世界に戻るのだ。

せっかくなので、35日間に渡る巡礼の日々の中で、私が手に入れたものについて想いを巡らせてみる。

と言ってみたものの、何かすごい答えを期待しないでほしい(笑)巡礼中ずっと考えてきたけれど「あなたはスペイン巡礼で何を得ましたか?」と質問されたとしても(意外とこんな質問されないけれど笑)、ハッキリ「◯◯です!」と答えることができない。

世界各国から集まった巡礼者とのかけがえのない出逢い、そして彼らの生き様に触れて世界は広いことを知った(彼らの多くは無職だが全然気にしていなかった)。トレーニングしてこなかった自分でもこんなに歩くことができるんだという達成感を感じた(骨折した)。バックパックに詰め込んだ荷物で1ヶ月以上暮らすことができたように(服はmont-bell&UNIQLOコーデの2セットしかなかった)、生きていくためにはそんなに多くのものは必要ないと悟った(むしろ、普段の生活は寝袋持たなくていいから逆に身軽だ)。太もも痩せと二重あご解消に代表される巡礼ダイエット効果によってちょっとだけ引き締まった(このダイエットの再現性は限りなく低い)。日焼け止めをこまめに塗り直したくらいでは到底太刀打ちできなかったスペインの強烈な日差しによって逆パンダのようなサングラス日焼け&顔中のシミができた(美容皮膚科のレーザーで取るしかなさそう)。

思いつくままに挙げてみれば、こんな感じになるだろうか。どれもどこかで聞いたような、ありきたりで退屈な感想だと思われるだろう。私も書いててそう思った(笑)

「何か巡礼前と変わった自分にならなければ!何かこの世の真理を見つけなければ!何か悟らなければ!」そう焦っているのはもしかしたら巡礼者本人だけであって、日本で巡礼者の無事の帰りを待つ家族や友人知人は、何が変わったかなんて気にしてないのかもしれない。「やっぱり日焼けしたね!」くらいだろう。その、深いところで起きた変化は本人がはっきりと口に出さずとも、今後の人生で明らかになっていくものだと思うから。

30代半ばにもなって見知らぬ他人との長期間の共同生活で否が応でもさらけ出された『自分』。日本から遠く離れたスペインで歩き続ける中で、自分の弱さを知り、未熟さを知り、不甲斐なさを知ると共に、逆説的ではあるものの、ありのままのダメなところも含めた自分のことを好きになれたことは大きな収穫だったと思う。

最後に。「スペイン巡礼行ってきますー!」といきなり言い出した私を快く送り出してくれ、常に体調を気遣ってくれた両親を始め、「今スペインの山道歩いてるの」といきなりLINEしても特に驚きもせずに応援してくれた友人、スポーツ羊羹持っていくようにアドバイスすればよかったー!と悔やむ友人、この巡礼ブログの更新をリアルタイムだと勘違いして楽しみに読んでくれている友人たちに、心からの感謝と、愛をこめて。(巡礼後、やたらとトレッキングの素晴らしさを語りだして若干うざくなってる私にお付き合いしてくれてありがとう!)

明日はついに、、、人生初のポルトガル!

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