Zubiri(スビリ)〜Pamplona(パンプローナ) 22km
ベッドのマットレスが柔らかすぎて、疲れが取れるというよりも余計に体が痛くなった感じがする。絶賛、全身筋肉痛祭り開催中(笑)昨夜19時に寝たこともあり、23時頃に室内の暖房が暑くて目が覚めてから眠れなくなってしまった。暗闇の中、もぞもぞとフリースを脱いで、寝袋のファスナーを開けて広げ、なんとか眠りについた。
6:25頃、ベッドから出る。静かにはしごを降り、全荷物を抱えて共有スペースへ移動する。昨夜、秘策を思いついた。というよりも、昨日地獄の下り坂を歩いている時に決めた。バックパックを背負うのをやめちゃおう!
実はスペイン巡礼路には、その日の目的地の宿泊先までバックパックを運んでくれるサービスが民間業者によって提供されているのだ。体力がない人やケガをした人でも巡礼を続けられるように。(巡礼路の全行程でホテル&荷物運搬サービスがセットになっていて、巡礼者は小さなリュック1つ背負って歩くツアーも多数ある)
自分でバックパックを背負わないで、こうゆうサービスを利用するなんてcheating だと言う人もいるけど、それで負担が軽くなって歩けるなら全然悪くないと思う。と言いつつも、ちょっと罪悪感を感じている自分もいる。

この写真は別のアルベルゲのものだが、どのアルベルゲでもレセプションにこのような封筒が数種類置いてあり、巡礼者は好きな業者を選べる(私はJACOTRANSが好き)
水や軽食、タオルなど、道中に必要なものだけを小さなバックパックへ入れ、残りはバックパックに詰め込む。ちなみに昨日スーパーでやっと見つけたぞ!と思ってぬか喜びしていたペットボトルの蓋は手持ちのハイドレーションシステムのアダプターとサイズが合わず、結局パックパックに入れることになった。運搬サービス1packageにつきMax15kgまで同額なので、エリーの寝袋も私のバックパックに挟み込んでパッキング完了!

指定の封筒に名前や電話番号、希望の配達先(アルベルゲ名)を記入。代金を入れて朝8時前までにレセプション付近に置いておく
運搬料金は、距離によって(たまには業者によって)異なる。オスピタレイラ(管理人)に聞いたところ、ここスビリから本日の私達の目的地パンプローナまでは7€と言われたから、封筒にぴったり7€入れてバックパックに結びつけ、レセプション付近に放置して出発。
後から出発する人がお金抜き取らないかな?←性悪説
業者はちゃんとピックアップして、指定のお宿まで運んでくれるかな?
初めて利用するので、ドキドキ。

アルガ川にかかる橋と高級アクエリアス
昨日よりは少し遅め、7:10頃に出発。一緒にいたエリーには「そんなに水分要らないでしょ〜」と苦笑されつつ、昨日までの連日の水不足が怖くて、
昨日、村に入る時に渡ってきた橋を渡って村を出て、すぐに右へ。朝イチでいきなりの上り坂の連続。ホコリが舞い上がるマグネシウム工場の裏手を上っていく。
重いバ
昨日と繰り返しになってしまうけど、もう一度言いたいの…みんな歩くペースが速すぎる!私よりも後から宿を出発した巡礼者たちがどんどん近づいてきて、私を追い抜いて、あ

巡礼路すぐ横、手の届きそうな距離に仔馬たち
重いバックパックを背負ってないのをいいことに、リンゴを齧りながら下り坂をおりちゃったりも。で
とにかく体中が悲鳴をあげていて、一度休憩で

まるで秘密の花園に向かうような、トトロでメイが走っていったような、バックパックを背負っていたらあらゆるところにひっかかりそうな茂み!
8:30頃に通過したのは、ものすごい茂みの中の細い道。しかも、下り坂!

舗装された下り坂
9:40頃、出発から2時間半経過。アップダウンを繰り返した山道が終わり、コンクリートで舗装された車道に沿って、草の道を歩く。空はどこまでも高く青く、小鳥のさえずりが聞こえ、ああ、なんて平和な景色…の
あの時の感情は一体何だったんだろう?笑
もう本当につらくて、足が痛
これは最初の数日間悩まされた「魔の出発後2時間半タイム」だったのだと思う。毎日、出発後2時間半が経過した頃になると、いきなり足が動かなくなる。まるで何か見えない大きな力によって、押し戻されるような感じ。足が前に出ない…これはもしかして?と思って時計を見ると、2時間半。私の体内時計すごいかも(笑)
今日も魔の時間帯に突入して苦しんでいたその時、ふと前方に目をやると100mほど先、ちょうどアルガ川を渡ったすぐ先の道路脇スペースに座り込んで休憩している巡礼者たちの姿が見えた。彼らのウェアには見覚えがある。韓国人、オースト

今後やたらと登場することになるメンバー

今日の朝食
あ、私、さっきはお腹も空いてたんだ(笑)
ジニーがミカンを、ヨンがマフィンを、アンドリューがチーズを、ブリューがチョコレートをくれた。巡礼者たちのおこぼれをもらおうとウロウロしている仔猫ちゃん
またまた休憩前より

トルティージャは2€、その他はすべて1€
山の中の巡礼路途中で、屋台バルを出してるおじさんがいた。店主の名前は、Danらしい(下写真参照)

主役マーティン・シーンとの記念撮影写真が目印
2010年に公開され、アメリカ人巡礼者が激増するきっかけとなった映画”The Way”(邦題「星の旅人たち」)の主役マーティン・シーンとのツーショット写真が目立つところに飾ってあり、かなりドヤ顔の店主。
でも「おー!すごいー!」と驚いていたのは、私ひとり。たまたま一緒にバルの前に立ち止まっていた他の巡礼者6〜7人は誰もこの映画を観てこなかったらしく、反応が薄すぎて店主が可哀想に思えるくらいだった(笑)
その後も同じようにアップダウンを繰り返し、山の中を歩き続ける。Irotz(イロッツ)の村からZabaldica(ザバルディカ)へ向かって一気に下り、また上る。本当に山道が全然終わらない。
11:15頃、切り株のベンチがあるまっているスペースがあり、みんなが休憩していたので便乗して休憩する。水を飲みた

La Trinidad de Arreの村へ入る橋が見えてきた
休憩を終えて立ち上がり、男性陣はさっさと行ってしまったので、私は1人。アスファルトで舗装された急な下り坂が延々

無人スタンプ置き場
パンプローナ手前のベッドタウン、La Trinidad de Arre(ラ・トリニダッド・デ・アレ)の村へ入るために石造りの橋を渡った先に、無人のクレデンシャル用スタンプが用意してあったので、寄り道して押してきた。

こんな風に、建物の壁にひっそりと道標がついている
本日の目的地Pamplona(パンプローナ)まであと4.5㎞!と標識があった。めちゃくちゃトイ
石畳の道を歩いて、街を通り抜けていく。足が
12:10、出発から5時間経過。ますます尿意がやばくなる。選択肢は2つ。このまま止まらずに急ぎ足でパンプローナ

こんなに大きいのに(笑)

このような黄色矢印が巡礼者を導いてくれる
やばい、カフェを吟味しすぎていたせいで小さな街の端っこ近くに来てしまった!そろそろ、覚悟を決めなきゃ。後から振り返れば、どうしてここまでカフェ選びで慎重になっていたのか不思議なくらい。海外でカフェに入るなんて初めてでもなければ、何も緊張することもないのに、登山ウェアでストックを持った姿が恥ずかしかったのかな?小さな村のバルに寄るのと、少し大きな街のカフェに寄る違いがわからない。ほんと、あの時の心境を自分に聞いてみたい(笑)
歩いてきた歩道の反対側に、明るい感じのカフェを発見!
トイレ利用だけじゃない、ということが伝わったようで、あ、カフェ飲むの?持ち帰る?ここで飲む?トイレいいわよー!奥にあるわよ!(的な感じ)でOKをもらい、レジの後ろに並んでたおじさんも、まずトイレ行ってこい!と応援してくれた。

交渉相手のスペイン人マダム

明るく綺麗な店内
はやる気持ちに反して、賑わう店内を奥のトイレに向かってよちよち歩きで急いだ。すごく綺麗なトイレ!電気は人感センサーよ。店内も地元の中高年で賑わってる。金曜のお

今回のスペイン滞在中、初のカフェ・コン・レチェ(ミルク入りコーヒー)
トイレへ行き、生き返った後は、窓際の席でカフェ・コン・レチェ。私がトイレ!トイレ!とやっているうちに、後ろから来た巡礼者たちに追い抜かれていったはずだけど、焦ることはない。パンプローナは大きな街だし、アルベルゲのベッドは残っているはず。きっと、みんなが待ってる。私の送ったバックパックも
歩いている時は暑くて暑くて、嫌になった日差しも、カフェの中にいたらポカポカ陽気で快適すぎて25分ほど休憩してしまった。カフェのfreeWi-Fiに繋げて、お友達NちゃんにLINEしたら「Yukaらしいね~。とても巡礼中には見えないね。ただの休日の一コマじゃん」
お店を出たら、また足がガクガク。

パンプローナの街に入る城門

ついに、パンプローナへ!
13:15、城門を抜けてパンプローナの旧市街に到着!パンプローナはかつてのナバーラ王国の首都であり、現在はナバーラ州の州都。毎年7月の牛追い祭り(スペインの3大祭りの1つ)で世界的に有名な街である。城門を入ってすぐのバル、さっきから人の出入りが多いから人気店ぽい。シャワー浴びたら、ここに来たいなあ。
フランス人の道をサンジャンからスタートして初めての大都市。石畳の坂道を上り、バックパックを

今夜のお宿 Albergue Jesús y María de Pamplona

巡礼者の宿
ここで合っているよね?と独り言を呟きながらアルベルゲエントランスから中を覗き込んだ瞬間に、韓国人ヨンがたまたま通りかかって、みんないるよー!

野戦病院みたい?こんなベッドがズラッと並んでいた
レセプションで、私の送ったバックパッ
野戦病院のような、質素なパイプベッドがズラリと並んでいるけれど、全体的に
シャワーが3つしかなかったので、到着した順番でシャワーを浴びていった。このアルベルゲは全部で114床あり、ハイシーズンは宿泊者が多すぎてシャワー争奪戦になりそう。
私は遅れてシャワーに行ったので、シャワーを終えた頃には、洗濯機&乾燥機代シェア(数人でまとめたほうがお得)に参加できなかった。1人分でやろうと思っていたら、同じく出遅れた韓国人男子ジニー(早く到着したのに、いつもシャワーが長い笑)がいたので一緒に洗濯する。乾燥機代1€は私が払った。なぜなら、道中でミカンをくれたし、さっきヘアドライヤーを貸してくれたから

有名なカテドラル




中庭は工事中

パンプローナの街並み

ここは牛追い祭りのメインロード

タベルナ!

どのボカディージョ(スペイン風サンドイッチ)も美味しそうすぎて全種類頼みたいくらいだった

ポーク&チーズのボカディージョ、オリーブ、カフェ・コン・レチェ
エリーと並んでカウンターに座り、ポーク&チーズのボカディージョ、オリーブ、カフェ・コン・レチェでトータル3.85€!めちゃくちゃ美味しい!安すぎる!大満足。何度も泣きたくなっていた午前中の山道のつらかった記憶が、このバルの食事の美味しさで全部どこかにいっちゃった。おいしいものは偉大(笑)
明日の分の水や食糧を買いに、スーパー(Carrefour Express)へ向かう。エリー曰く、パンプローナに来る途中、私がカフェでトイレ休憩してる間に、今夜はみんなでお金を出し合って自炊しよう!と話がまとまり、スーパーに寄ってきたそうだが、その時に男子チームが購
アルベルゲに戻ったら、ジニーが私の分の乾燥が終わった洗濯物を私の
そこに、アンドリュー先生が登場。彼がまとめて支払い、奢ってくれたディナー用の食材は、普段全く料理しない若者男子たちが選んだらしく、

本日の食材
エリーとアンドリューの予感的中!若者男子たちは、トマトソースパスタを作るのに、塩もオイルも購入してなかったらしい(笑)

スペイン男子と韓国男子にトマトの切り方を指導&褒める役は私。口を出すだけ(笑)
18時すぎ、お昼寝する暇なくお料理タイムがスタート。

得意料理のサムギョプサルを作るヨン

お皿の上でどんどん冷えて、硬くなる豚肉。(エリーによって再加熱された)
パスタ用のトマトソース煮込むのに時間かかるから、それが完成してから焼き始めてね!というメインシェフのエリーの忠告も聞き入れず、韓国人ヨンが俺流

大量のパスタ

トマトソースパスタとサムギョプサル

デザートのヨーグルト
6人しかいないのに、パスタを11人分くらい茹でてしまい大量すぎてどうなるこ
ベッドに戻り、YouTubeでQueenを聴きながらスマホに日記を書いた
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