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【スペイン巡礼11日目】難所の1つ「オカの山越え」の道中でフランス人ムッシューから教えを請うた日。ガイドブックにもほとんど説明のない小さな村アヘスの家庭的なアルベルゲで、バスタオルと優しさに包まれました

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Belorado(ベルラード)〜Ages(アヘス) 27.5km

LINEの着信で、5時起床。ゴロゴロしながらLINEをして、ちょっと早いけど5:30にベッドを出て、朝のルーチンワーク。朝食は、昨夜韓国人のパク親子からもらったサンドイッチとヨーグルト、洋梨ティー。

澄んだ空気の中を歩くのは気持ちいい!

5€を入れた封筒を結んだバックパックを、まだ真っ暗なレセプション前に置いて、6:40にエリーと一緒にアルベルゲを出発。意外と空が明るくて、はりきってつけてきたヘッドランプは不要だった。ヘッドランプをしまうのがめんどくさくて、ついつけっぱなしで歩いてしまいがち。標高が高いせいで、かなり寒い(標高800m)。

ベルラードの村を抜けて、平坦な道をずんずん進む。いつの間にか1人で歩いていた。今朝のLINEによって半ば強引に思い出されたバンコクの銀行員の思い出について考えていたら、あっという間に小さな村を3つ通過。

1つめの村

2つめの村(肉眼だともう少し大きく見えるけど、写真になると全然見えてない。。。)

3つめの村を通り抜けた(もはや村の写真ですらない)

8:25、3つめの村を通り抜けた後の登り坂がきつかった、、、緩やかなんだけど、登りがずっと続くから終わりが見えなくてテンションが下がる。向かい風も強かった。

9時過ぎに、San Juan de Ortega(サン・フアン・デ・オルテガ)村の手前、最後の村Villafranca Montes de Oca(ビジャフランカ・モンテス・デ・オカ)に到着。かなり前からトイレに行きたくて、一番最初に見つけたバルに駆け込んでトイレを借りた。なんとかセーフ!

どうでもいい話(いつもそう)だけど、ここ最近、体内リズムが「起床3〜4時間後にトイレに行きたくなる」となってしまい、ちょうどいいタイミングでバルがあれば問題ないけれど、そうでないことのほうが多くて大変。食事の内容を考え直したりして、このリズムをどうにかせねば、、、とりあえず、今日も間に合ってよかった(笑)

Villafranca Montes de Ocaの村から「オカの山越え」に入る手前の坂の途中で休憩。上ってきた道を振り返る。

さて、ここからが本日の難所『オカの山越え』。オカと言っても、丘じゃなくて山だから(笑)村から村まで12kmの間、休憩小屋は1ヶ所のみ、水飲み場もなく、バルも何もない。鬱蒼と茂る樹木のせいで、巡礼路は昼間も薄暗く、(今もそうだけど)昔は難関の1つとされていたようだ。

サンティアゴ教会の横から、かなり急なアスファルトの坂を上り、一旦その道路脇のベンチで5分休憩。気合を入れるため髪を結び直して、日焼け止めを塗り直した。今までの反省を活かして(今更遅い!)、今日は1時間おきに日焼け止めを塗ると決めたの。同じベンチで休憩していた韓国男子ヨンからチョコレートをもらって、出発。

手に持ったペットボトルさえ優雅に見えるムッシュー

いきなり、石がごろごろと敷き詰められた急な登り坂!ぎゃー。その坂をなんとか上り終えた。と思ったら休む暇なく、さっきよりは緩やかだが、長く続く登り坂。「ウォー!アウー!」思わず声が出る。息が切れる。ストックを使ったほうがいいのか、使わないほうがいいのか。どちらも試すが、どちらもきついのは変わらない(笑)私のすぐ前を歩いていたフランス人男性が立ち止まり、Do you speak English?から始まり「いいかい、坂道を上るときは叫ばないこと。静かに。鼻呼吸で。先は長いからゆっくり歩けばいいよ」雄叫びがうるさくて、すみません、、、!

きつい上り坂をスタスタと上っていくムッシュー

その後は、ムッシュー師匠の教えに従い、鼻呼吸(でも鼻呼吸しようとすると垂れる鼻水との戦いになる!笑)しながら、彼のペースに合わせて、追いかけるように上った。確かに鼻呼吸すると楽かも!巡礼路の両脇に木が生い茂り、日陰なのは嬉しいけど、昔は怖かっただろうなぁ。

フランコ時代の戦死者のためのモニュメント

なんとか坂を登り終えて、標高1165mのペドラハ峠に到着!戦死者のためのモニュメント横を通過して、今度は下り坂が始まった。

V字!うまく写真では伝えられないけど、すごい急な下り坂とすごい急な上り坂!

少し下った後に、びっくりするような急な傾斜の砂利道の下り坂があり、その下り坂が終わって小さな川にかかる橋を渡ると間髪なく登り坂。この上り坂、傾斜だけで言えばこれまでで最も厳しかったかも。傾斜角45°?!と思えるような、まるでロッククライミングをしているような、地面にしがみつかないと上れないような坂をなんとか登った。大きなバックパックがあったらどうなっていただろう。オカの山越えが難所と言われるのは、あのV字谷のせいでは、、、?とにかくすごかった。

地元の高校生?の学校行事かな。何もない山の中に、突然人が現れて驚いた。

難所を越えると、また延々と緩やかな上りが続く。その後、巡礼路はだだっぴろい赤土の剥き出したような道になった。景色が変わらない、鬱蒼とした森の中をずっと歩いた。

追いついてきた韓国男子ジニーも、今日の巡礼路は景色が全く変わらず飽きていたのか、並んで歩きながら話しかけてきた。仲良くおしゃべりしたり、黙ったり。巡礼路では、一緒に歩きながらずっとおしゃべりし続けている人達もいれば、一緒に歩いていても沈黙の時間が長い人達もいる。話しかけられるのが好きな人もいれば、1人で黙々と歩くのが好きな人もいる。

今日の会話テーマは「韓国の徴兵制」や「昔の巡礼者」について。スペイン巡礼に参加しているアジア人の9割は韓国人(だと思う)が、その中でもジニーのような、兵役を終えた20代の韓国男子がたくさん参加しているらしい。ジニーが韓国の兵役についておもしろおかしく話してくれるので、爆笑しっぱなし。「巡礼中につらいと思う時は、ああ、これは軍隊なんだ、と思い込むんです。軍隊だからこのくらいつらくてもしょうがない、耐えるしかない!って。そう思ったら大丈夫ですよ〜」え、巡礼って軍隊並みなの?笑

昔の巡礼者は、1日にどのくらいの距離を歩いたんだろう。私達(25〜30km/日)より少ないのかな?それとも、朝早くから夜遅くまで歩いてたのかな?とりあえず、今みたいなハイスペックな防寒具やアウトドアグッズ、履きやすい靴なんかなかったはずだし(当時は、革のペラペラサンダル)、道中に追いはぎや強盗、野犬、狼もいたりしたらしいから、本当に大変だったんだろうなあ。

道は細くなった

かなり歩いたはずなのに、森の景色が全く変わらない。「ひまだーひまだーつまんない。あと何㎞で次の村なんだろー?」とオフラインで使えるGPSアプリをチェックしてみたら、『Ages(アヘス)まであと8㎞』と表示された。「わーい!ジニー見て!見て!あと8㎞!ということは、この先が平坦な道なら2時間、アップダウンあったとしても3時間で着くよね?」「本当ですね!すぐだ!いえーい!」と2人でナチュラルに大喜びしちゃった。残り8㎞と聞いて喜ぶ、、、東京やソウルでは絶対に8kmの距離なんて歩かないのに、人間って変わるもんだねぇ、と。それにしても、ほんとにいつまで経っても山道。

村が見えたー!!!!!

11:45、出発から約5時間経過。やっとSan Juan de Ortega(サン・フアン・デ・オルテガ)村が遠くに見えた!この瞬間!!!昔の巡礼者達と同じ気持ち!

この村の名前の由来は、村を開いた聖人の名前。裕福な家に生まれたサン・フアン・オルテガは聖職に就いたのち、巡礼路を整備する聖ドミンゴを手伝っていたそう。スペイン巡礼のゴールである聖地サンティアゴから戻り、危険なオカの森を抜けたこの場所で巡礼者達を助けるために尽力し、死後、この村の修道院に祀られたそう。

サン・フアン・オルテガさん、本当にありがとう!と伝えたい。GPSで現在地も、次の村までの距離もわかっている現代であっても、深い森が終わらなすぎて不安になったくらいだから、そんな文明の機器がなかった時代の巡礼者はどれだけ不安だったか。つい思いを馳せてしまう。

村が見えて嬉しすぎて、振り返って、ストックを上げて、少し後ろを歩くジニーに村が見えたことを報告したら、ちゃんと伝わったみたいで、笑顔でストックを振リ返してくれた。こうゆう些細なことで喜べる、小さな幸せ。村が見えてからが長いんだけどね(笑)だらだらと下り坂を進み、村に到着。

San Juan de Ortega村の入口

牛はいるけど、人の気配がしない。住民30人に満たない集落らしい。(2013年時点の情報)

聖人サン・フアン・オルテガが祀られている修道院

想像よりも大きな修道院。修道院前の日陰のベンチに座って、みんなを待った。

師匠から手作りボカディージョをいただく

さきほど、私に鼻呼吸登山法を教えてくださったムッシュー師匠も同じテーブルの向かいに座り、ボカティージョ(スペイン風サンドイッチ)を作り出し、おすそ分けしてくださった。御礼を伝えると「御礼なんて必要ないよ。我々はみんな巡礼者、仲間なんだから。与え合うのは当然のことだ」。さすが師匠。同じ巡礼路を歩き、同じような安宿に泊まっているはずなのに、どうしてこんなに優雅なのか。ふんわりと巻かれたパープルストールが小洒落てる。mont-bellで着飾った弟子からは御礼としてオレンジをお渡しした。教会の中が綺麗だから見ていきなさい、と師匠から伺ったので、遅れて到着したジニーやヨン、エリー達と見学。

教会の内部

12:25頃、本日の目的地Agesに向かって、出発。あと3.5㎞!ジョンが追いついてきて、5人でなんとなくひとかたまりになって、歌いながら森の中を歩いた。

暑い

木の生い茂る山の中の一本道。砂利道をひたすら進み、空が広く見えるなあと思ったら、牛の鳴き声。

巡礼路の両側に牧場、ではなくて、牧場の中に巡礼路、が正しい

なんと放し飼いの牛さんがたくさん。巡礼路が牧場を突っ切っているの!巡礼路と牧場の境にはフェンスも何もなく、牛さんが襲いかかってこないかドキドキ。全くそんなことはなかったけども。というより、牛さんからしてみれば自分達のスペースに毎日毎日、カラフルな服を着た人間がわんさか通るので迷惑かも。

Agesの村が見える!

高台にある牧場エリアが終わり、牛が逃げないように設置してあるドアを自分で開け閉めして通過。遠くに、村がいくつか見えてきた!一番手前がAges(アヘス)で、その隣にあるのがAtapuerca(アタプエルカ)かな。はやる気持ちで、坂を小走りで駆け下り、13:10頃Agesの村に到着!

本日のお宿(裏口)

ここもスーパーのない、小さな村。少し待って、エリーと合流して、荷物を送っておいたアルベルゲはどこかな?とキョロキョロしていたら、買い物帰りの元気なスペイン人マダムが、両手を揃えて耳に当てるポーズをして、うちのアルベルゲに泊まっていきなさいよ!ここよ!(という感じの内容を)スペイン語でガンガン客引きしてきた。英語が全然通じなくて、私達はバックパック送っておいたアルベルゲを探しているんだけど、、、と言いながらも、マダムの勢いに負けて、ついて行くことに。そちらは裏口で、マダムに後ろに続いてキッチンの中を通り抜けてレセプションに来たら。あ!見慣れたバックパック!偶然にも、ここは私達がバックパックを送ったアルベルゲだった。ビンゴ!

コーラ?ビール?と聞かれ、コーラをいただいた。キンキンに冷えたコーラが美味しい!スタッフの黒人母子も顔を出して、みんなで大歓迎ムード。娘ちゃん(推定4歳)が踊ってくれて可愛かった。

送りこまれたバックパックの山

レセプション前のテーブルにはバックパック5個が山積み。男性陣も到着して、みんなで順番にチェックイン。

盛り上がるスペイン人マダムとスペイン人ブリュー

この村にはスーパーがなく自炊ができないので、ディナーもアルベルゲで頼むことにした。宿泊代&巡礼者メニュー(ディナー)のセットで20€。シーツ、枕カバー、シャワー用のバスタオルも貸してもらえた。天気が良く、日差しが強くて暖そうに見えるが、実際は風が冷たく寒い。汗が冷えて寒かったので、早くシャワーを浴びて温まりたい!

こじんまりとした、清潔なお部屋

ベッドは早い者勝ちだったので、下段を確保。早速シャワー!と思い、女性用バスルームで服を脱いで、シャワーの蛇口をひねる。ん?いつまで経っても水。普通は、レバーを左に向けると温水、右に向けると冷水。ここのシャワーは、レバーを左に向けると「常温の水」、右に向けると「冷水」。元々冷えていた体がますます冷える。

隣の男性用バスルームからはシャワーを浴びている音が聞こえてきたので「もしかして、男性用シャワーはお湯が出てる?」と思って、確認のためバスタオルを巻いてドアから顔を出したら、ちょうどエリーが通りかかったので事情を説明したら、すぐにオスピタレイラに聞きに行ってくれた。(いつも素早い対応ありがとう!)「シャワーに問題発生、30分待て」とのことで、諦めて一度脱いだ服を着て、ベッドへ退散。

ゴロゴロして、30分後にシャワーに行ったら、お湯が出た!(もちろん今回は服を脱ぐ前にお湯チェック。これ大事。)じゃぶじゃぶと流れる温水が、冷えた体にじんわり染み渡る。気持ちよすぎて、シャワーからなかなか出られない。そして、久しぶりのバスタオル!巡礼スタートしてから2週間弱、毎日ペラッペラの速乾タオルと手ぬぐいで体を拭いていたから、普通の(ちょっと毛羽立ってガサガサだけど)バスタオルで包まれる気持ち良さ、、、ああ、こんなに幸せでいいのだろうか。そう、私の幸せの閾値、今かなり下がってる(笑)ちなみに、男性用シャワーもずっと冷水だったけど、めんどくさいからそれでもシャワーを浴びていたらしい。彼らは猛者だ。

その後、遅めのランチとして、ベルラードから運んできた自家製サンドイッチと、サラミとチーズとミニトマトを食べ続け、ベッドでまどろむ。ベッドではWi-Fiが繋がったり繋がらなかったり。いつものアルベルゲだとこの時間帯が非常に寒いけど、ここは毛布もあるし、髪が濡れたままでも全然寒くなくて幸せ。髪、乾かそうよ私。

ビール

サラダ

パエリア

デザート

19時、アルベルゲ1階でディナーが始まった。家庭的な巡礼者メニュー(バゲット、サラダ、パエリア、フルーツ)が素朴な味で美味しかった。飲み物は、ビール。サラダもパエリアも量が多く、お腹いっぱいで苦しい。今夜もナヘラで中華料理店に行った韓国人グループと一緒になった。ここでも、即席韓国語レッスンで大盛り上がり。

ディナーの席でも話題になったけど、巡礼を続けているうちに、つらかったこと(特に上り坂!)に対する忘却スピードがどんどん早くなっている!「はぁ、きつかった〜!はい、終了!次!」という感じ。

それから(これは全く賛同を得られなかったけど笑)上り坂を目の前にしても、変な自信がでてきた。どんな坂でも必ず終わりがある!私なら上りきれる!一歩ずつ、小さくても、足を前に出せばいいだけ。全然進んでいないように見えても、たまに振り返ると、坂の始まりが遠くに見える。

巡礼路を歩いていて、全然景色が変わず、後ろから来た巡礼者にどんどん追い抜かれて自信がなくなっても、振り返ると出発した村がはるか遠くに見えたり、越えてきた峠が見えたり、、、ああ、こんなに遠くまで来れたんだ、という喜びでまた少し進める。歩いてゆける。大事なのは、自分のペースで無理しないこと。こうやって文字にするとあまりにも言い尽くされたことで、面白みが感じられないけれど、、、でも、これが今の正直な気持ち。ゴールまであと20日間以上ある。この先、どんな気持ちに変化していくのか、自分でも楽しみ。

食事を終えて、洗濯物を引き取りにいった。このアルベルゲは、無料でお洗濯してくれた。ありがたい!けれど、乾燥機が弱いのか、まだ半乾き、さらには洗濯ネットに入れた洗濯物も全部取り出されていたので、みんなの洗濯物が混ざっちゃって大変だった。

同じ部屋のベッドに集まっておしゃべりしたり、荷物の整理をしたり、日記を書いたりして、あとは寝るだけ。ログローニョで買ったポストカードがなかなか書けないまま、ずっと荷物の中に。自分ばかりがどんどん移動していく、、、ログローニョに滞在したのって何日前だっけ?笑

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